【イナズマイレブン】氷雪のエクリプス Ⅱ (ページ15)

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第64話ページ15

「私達の学校、壊されちゃうの…?」

不安気に両手を握りしめる荒谷に、吹雪は「大丈夫だよ。白恋中は僕が守る」と優しく微笑む。その言葉に安心した荒谷が笑みを溢した時、円堂が「吹雪! 頑張ろうぜ!」と声を掛けた。

「エターナルブリザードで、奴らをバシバシ吹っ飛ばしてほしいでやんす!!」

「うん、宇宙人なんかに負けないよ」

脚を大きく蹴り上げる仕草をする栗松に吹雪は頷く。
彼のスピードと強力なシュートがあれば、ジェミニストームも怖くない。加えて自分達もスノーボードの特訓で確実にスピードアップしている――雷門イレブンの表情は自信に満ちていた。

「吹雪君、あなたセンターバックに入って」

そこへ瞳子から思い掛けない指示が飛び込んできて、一同は「ええーっ!?」と瞳子を振り返る。数人は驚きのあまり体勢を崩していたが、どうやら転ばずに済んだようだ。

「ディフェンスに専念するのよ。絶対に前線へ上がらないで。エターナルブリザードは封印してもらいます」

「はい」

吹雪は彼女の指示を承諾したが、一之瀬はこれに「何故です!?」と反対した。彼の言う通り、ジェミニストームには吹雪のスピードを活かした攻撃を仕掛けるのが最善策とも言えそうだが、瞳子には何か考えがあるのだろうか。

如月は瞳子の顔をちらりと見るが、彼女は「意見は聞いてないわ」と髪を靡かせて踵を返してしまった。その言動に塔子からも「なんだよあの監督!? やっぱり訳分かんないよ」と不満が飛び出す。

「監督の作戦に従おう!」

試合を前に不穏な空気が漂い始めた時、円堂が手を叩いた。
雷門イレブンの視線が彼に集まる。

「この試合は、白恋中を守るためだけじゃない。全人類の命運が懸った大事な一戦よ」

「ああ。監督もそれを承知の上で吹雪をDFに起用した筈だ。…勝つために」

夏未の言葉に鬼道が同意を示した。2人とも瞳子の考えはまだ分かっていないが、何か理由があってのことだと理解しているようだ。円堂も2人と同じ意見のようで「あとは俺達が結果を出すだけだ!!」と空に掲げた手を握った。

「へっ…俺のシュートで勝利を決めてやる」

「僕も、白恋中と皆を守るために全力で戦うよ!」

円堂の一言でチームが1つに纏まる。
「絶対に奴らに勝って、半田達に勝利の報告を届けるんだ!!」彼が差し出した手に続々と雷門イレブンの手が重ねられていく。一瞬躊躇った如月も、塔子の視線を受けてそっと手を重ねた。