【イナズマイレブン】氷雪のエクリプス Ⅱ (ページ1)

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第50話ページ1

「どんなにシュートがすごくても、豪炎寺の代わりはいねえんだ…!!」

円堂とは対照的に、染岡は吹雪の背中を睨み付ける。
「やられっぱなしで堪るかよ!!」彼がゴールに転がっていたボールを拾い上げた時、瞳子の声が掛かった。

「そこまで! 試合終了よ!」

「なにｯ!?」

目の敵にしている吹雪の活躍のみが目立ち、自分はそんな彼にドリブルもシュートもスライディングも止められてしまった。それが悔しかったのだろう、これからだと意気込んでいたところで瞳子に試合終了を告げられ、染岡は今度は瞳子を睨んだ。
瞳子の隣でビデオカメラを構えている音無も「えっ、ここで終わりですか?」と驚いている。

「このまま終わらせて堪るか!!」

しかし染岡がこの状況で瞳子の言葉を素直に聞き入れる筈がなく、彼は怒りをぶつけるようにボールを蹴った。その矛先は吹雪の背中だが、雷門イレブンが心配するまでもなく、彼はすぐに反応してボールを高く蹴り上げる。

「お前に負ける訳には、いかねえんだ!!」

「やる気か…!! おもしれえ!!」

走って来る染岡と向かい合うかたちで吹雪も走り出した。
2人は間に落ちてきたボールを互いの右足で蹴り合う。2人の力を受けたボールは青い光を僅かに発し、それに新たな力を見た雷門イレブンは息を呑んだ。

「――うわあｯ!!」

威力は拮抗しているように見えたが、吹雪の方が一枚上手だったようで吹き飛ばされた染岡が尻餅を搗く。吹雪に「その程度か。話にならねえ」と見下ろされ、染岡は悔しさに歯を食いしばった。

「こんなもんじゃ満足できねえ。もっと楽しませろ!!」

獲物に飢えた獣の如く、暴れ足りないといった様子で吹雪は声を上げる。

「さっきのナヨナヨ君と全然違う…」後方にいる塔子の呟きが如月の耳に入った。彼女の言う通り、吹雪の雰囲気は試合の途中で突然変わってしまった。染岡のシュートを止めた時まではあの柔らかい雰囲気だったが、オフェンスに転じてから攻撃的な雰囲気になったのは何故だろう――。

考えている間に、吹雪はエターナルブリザードを放っていた。
ハッとしてゴールを振り返ると、塔子と壁山がザ･タワーとザ･ウォールの2枚がかりでシュートを止めようと試みていた。

「――お前らに止められるような、エターナルブリザードじゃねえ!!!」

しかし、2人の技を以てしてもシュートは止まらない。威力を失うことなく、ボールは円堂の待つゴールへ突き進んでいった。