第9話 ページ10
『これ、よかったら使って』
「あ、どうも」
「ありがとうございますっス」
雷門イレブンは小川の近くに集まっていた。壁山が見付けたのはエイリア学園が使用していた黒いサッカーボールで、川底に沈んでいたものを近くに引き上げたようだ。
ボールを見付けた壁山と目金が濡れていたため、如月は2人にタオルを渡した。
一同で囲んでいたボールを、円堂が持ち上げようと試みる。しかしその重さは通常のサッカーボールとは桁違いのようで、歯を食いしばって十数cm持ち上げたがすぐに落としてしまった。ボールは大きな衝撃と共に地面にめり込み、その様子に雷門イレブンは思わず息を呑む。
「こんなものを軽々と蹴っていたのか…」
思い出されるのは、ジェミニストームのレーゼ、ゴルレオ、リームの3人がこれと同じ黒いボールをお遊びのように蹴っていた様子。力のある円堂でさえ持ち上げることもままならなかったこのボールを表情一つ変えずに蹴っていたことに驚くのも無理はなかった。
「全員動くな!!」
そこへ男の声が聞こえてくる。
突然のことに驚きつつ声の方を見ると、スーツを着た10人の大人が立っていた。
「もう逃がさんぞ、エイリア学園の宇宙人!」
「え?」
「俺達のこと…?」
風丸が自身を指差して戸惑う。
男は「財前総理はどこだ! どこへ連れ去った!!」と橋を渡ってこちらへ来ると、弁明しようとした円堂の言葉を遮って地面にある黒いサッカーボールが証拠であると断言した。円堂はこれを池に落ちていたものだと説明するが、男は「とぼけるつもりか?」と聞く耳を持とうとしない。
「警察には話が通ってるんじゃなかったのか」
「私に言われても…」
鬼道が夏未に問う。公園への立ち入りは確かに許可されたが、その経緯を知り得ない彼女にはこの事態がどういうことなのか理解できていなかった。
2人の会話が聞こえていたのか、男は自身を総理大臣警護のSPであると名乗る。しかし風丸は「だからと言って、いきなり宇宙人呼ばわりするなんて失礼じゃありませんか!」と非難。隣の壁山も強く頷いて風丸に同意した。
「――宇宙人はどこだ!!」
そこへ今度は女の声が聞こえてくる。声の主も男と同様にスーツを着ており、彼らと同じSPであることが窺える。
ピンク色の髪に特徴的な帽子を被った彼女は、男の隣まで来ると何かに気付いた様子で雷門イレブンの面々を見渡し、少し考えてから小さく笑った。それを見ていた如月は、僅かに首を傾げる。
『…?』
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一森(プロフ) - bizyuさん» コメントありがとうございます! そのように言っていただけて嬉しいです…! 更新頑張ります(^^) (12月25日 2時) (
レス) id: a9a946d0de (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました！これからも一森さんご自身のペースで頑張って下さい(◍•ᴗ•◍) (12月24日 17時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一森 | 作成日時：2023年9月16日 3時
