第27話 ページ28
試合を終えた雷門イレブンは、奈良シカ公園に停めているキャラバンの外で円堂の手当てを待っていた。試合の後暫くして気が付いた彼は、現在マネージャーに湿布を貼ってもらっている。
「ごめんよ皆。あたしが一緒に戦おうなんて言わなきゃ、こんなことにはならなかったんだ…」
「塔子の所為じゃない。俺達の力がなかったんだ」
ジェミニストームに敵わず、雷門イレブンに怪我を負わせてしまったことを引け目に感じているのか、塔子は弱々しく視線を落とした。風丸は彼女を慰めるように言葉を掛けると、心配そうに「円堂、大丈夫かな」とキャラバンを振り返る。土門も「かなりシュートくらってたからな…」と試合を思い返した。
「納得いかないぜ。なんなんだよ、今日の監督のあの作戦は!! ディフェンスをあんなとこまで上げるなんて…どうぞ点取ってくださいって言ってるようなもんじゃないか!!」
「結果は32対0で完敗。1回目の時より酷い負け方ですからね…」
「SPフィクサーズとの時は、すごい監督だと思ったのに…」
重い空気が流れる中、染岡は監督への不満を露わにする。試合中、鬼道がジェミニストームの攻撃パターンを見抜いたことで雷門イレブンにも勝機が見えたように思われたが、監督の作戦によって台無しになってしまった。それが許せず、彼は側にあった木を殴った。
「理事長に連絡して、監督を変えてもらう!!」
「待て、染岡」
そう言うと染岡はキャラバンへ向かって歩き出した。中にいる夏未に連絡を取ってもらおうとしたのだろう。しかしここで沈黙を貫いていた鬼道が彼を呼び止める。染岡は「なんだよ鬼道!?」と彼の方へ向き直った。
「まさかお前、あの監督の肩を持つんじゃないだろうな!? あんな訳分かんない奴の!!」
「そういう訳じゃない。ただ、結論を出すのは監督の考えを知ってからでも遅くはない」
冷静に返答する鬼道に一同の視線が集まる。風丸は「考え?」と鬼道の言葉に首を傾げた。少し落ち着きを取り戻した声で、染岡は「なんだよ、考えって」と鬼道に話の続きを迫る。鬼道は淡々と続けた。
「監督も言ってた通り、前半を終えた時点で俺達の体力は限界に達していた。もし後半、あのまま俺の作戦で試合を続けていたら、どうなっていた?」
「どうって…」
鬼道に回答を求められ、風丸は思案する。彼は鬼道の言いたいことが分かったのか、すぐに気が付いたようでハッとして言葉を溢した。
「俺達も、マックスや半田達みたいに病院行き…!?」
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一森(プロフ) - bizyuさん» コメントありがとうございます! そのように言っていただけて嬉しいです…! 更新頑張ります(^^) (12月25日 2時) (
レス) id: a9a946d0de (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました！これからも一森さんご自身のペースで頑張って下さい(◍•ᴗ•◍) (12月24日 17時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一森 | 作成日時：2023年9月16日 3時
