第2話 ページ3
「付いて来なさい」
そう言われ、雷門イレブンの面々は火来と響木に付いて行く。案内された先の部屋で待っていたのは、理事長の雷門総一郎だった。
打倒エイリア学園を目指し地上最強のサッカーチームを結成することが決まった円堂達は、宇宙一を目指して意気込む。しかし監督である響木は同伴しないことが分かると、彼らは「ええっ!?」と戸惑いの声を上げた。
「じゃあ俺達、監督なし…!?」
「俺、監督いないなんて嫌っス!」「俺もでやんす!」両手を握りしめて涙を浮かべる壁山と栗松に「心配するな」と響木が言うと、誰かを乗せたエレベーターが到着したチャイムが鳴る。ドアが開くと、そこには2人の女性の姿があった。1人はジャケットにパンツ姿の大人で、もう1人は円堂達と同い年くらいで雷門中のジャージを着ている。
「紹介しよう。新監督の吉良瞳子君と、新メンバーの如月加澄君だ」
「如月…?」
如月加澄という名前に鬼道が僅かに反応する。
が、そんな彼の意識はすぐに直後の言葉へと変わった。
「ちょっとがっかりですね、理事長。監督がいないと何もできないお子様の集まりだったとは思いませんでした。本当にこの子達に地球の未来を託せるんですか? 彼らは一度、エイリア学園に負けているんですよ」
吉良瞳子と紹介された人物は、雷門イレブンを一瞥し、冷たい表情で彼らの前に立つ。瞳子の言葉は厳しいもので、彼らの反応は顔を顰めたり萎縮したりと、彼女に対する印象が良くないことは明らかだ。
「だから勝つんです。一度負けたことは、次の勝利に繋がるんです!」
しかし、ここで円堂が言葉を返す。
弱小サッカー部と笑われてきた雷門イレブンがフットボールフロンティアで優勝できたのは、彼の熱い気持ちと諦めない心が大きかった。身をもってそれを経験してきた雷門イレブンだからこそ、円堂の言葉によってやる気と自信に満ちた表情を取り戻す。
「頼もしいわね。でも私のサッカーは今までとは違うわよ。…覚悟しておいて!」
姉さんが楽しそうなのは子供が好きだからだろうか。雷門中に向かっている時から緊張感の拭えない面持ちの如月だったが、張り切る瞳子を見て自然と表情が軽くなっていた。
「ほら、君も」
隣の瞳子に意識が向いていた如月の肩を、雷門理事長が軽く叩く。まだ自己紹介をしていなかったことに気付いた如月は、一呼吸置くと微笑みを携えながら雷門イレブンを見渡した。
『如月加澄です。皆よろしくね』
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一森(プロフ) - bizyuさん» コメントありがとうございます! そのように言っていただけて嬉しいです…! 更新頑張ります(^^) (12月25日 2時) (
レス) id: a9a946d0de (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました！これからも一森さんご自身のペースで頑張って下さい(◍•ᴗ•◍) (12月24日 17時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一森 | 作成日時：2023年9月16日 3時
