第12話 ページ13
鉄壁から財前へボールが渡り、今度はSPフィクサーズが攻め込んでいく。鬼道の指示でブロックに入る風丸に、財前は自信満々な表情で向かっていった。
「来たね、宇宙人!」
「俺は人間だ!!」
「へっ…すぐにわかるよ!」
財前は風丸を軽々と飛び越えて抜き去る。鬼道はすかさず壁山を構えるが、館野と極火の必殺技･合気道によって簡単に突破されてしまった。SPフィクサーズはあっという間に雷門ゴールまで迫り、加賀美と木曽久が両手を掴んでシュートを打つ。
「「トカチェフボンバー!」」
「爆裂パンチ!!」
円堂はこれを難なくクリア。その様子にベンチのマネージャーは「さすが円堂君!」「大人に負けていませんよ!」と歓喜する。瞳子の口角は「見せてくれるじゃない」と、どこか嬉しそうに上がっていた。
「くらえ! ドラゴン――」
「いくよ! ザ･タワー!!」
財前の足下がみるみる上がっていき、彼女を中心とした高い塔が現れる。頂上の彼女が両手を振り下ろすと、青い稲妻が染岡をめがけて激しく落ちた。財前は吹き飛ばされて尻餅を搗いた染岡を見下ろす。
「詰めが甘いね、宇宙人!」
「くｯ……、!!」
染岡は悔しそうに財前を睨むが、彼の意識はすぐに痛みの走った右足へと向いた。先程ディフェンス技を受けた時のことを覚えていた瞳子は、染岡が足を痛めていることに気付いたのか眉を顰める。雷門イレブンがどう動くチームなのか様子を見ていた如月もそれに気付いたのか、怪訝な顔で染岡を見つめる。
「…!」
『染岡君…?』
しかし、控えの選手がいない今、染岡はそれを誰かに訴えようとはしなかった。膠着状態が続くなかで攻めることを意識する雷門イレブンも染岡の様子には気付けないまま、試合は前半終了に迫っていた。
「またやられに来たか!」
試合が再開するとボールはすぐさま染岡へ渡る。立ちはだかる財前が煽るように言うと、彼はその場でシュートを放った。が、ボールはゴールを大きく外れて場外へ出て行ってしまった。
「チｯ…!」
「……」
足がこんな状態でなければ決められた筈なのに、染岡はそう言いたげな表情で右足に舌打ちをする。瞳子はその様子を確信したように見ていた。
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一森(プロフ) - bizyuさん» コメントありがとうございます! そのように言っていただけて嬉しいです…! 更新頑張ります(^^) (12月25日 2時) (
レス) id: a9a946d0de (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました！これからも一森さんご自身のペースで頑張って下さい(◍•ᴗ•◍) (12月24日 17時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一森 | 作成日時：2023年9月16日 3時
