第11話 ページ12
瞳子からの指示がなく、風丸に「どうする?」と訊ねられて円堂は思案する。
「あの人は俺達がどんなサッカーをするのか見たいんだろう」
「ああ。初めて指揮する試合だからな」
鬼道と豪炎寺の言葉に納得した円堂は「よし、やろうぜ! 俺達で戦い方を考えるんだ!」と意気込みを見せた。そこへ、彼らの会話を聞いていた如月が控えめに右手を挙げてやって来る。
『私はどこに入ったらいいかな』
「そういえば、加澄のポジションは?」
『GK以外ならどこでも』
「ならばMFに入ってもらおう。それから風丸をMFに上げて、オフェンスを強化するんだ」
『うん、分かった』
DFの風丸をMFに上げようという鬼道の提案は、こういうときこそ先取点が大切だからという理由があってのことだった。それを聞いて風丸が「守りに入っていては、点を取るチャンスも減るって訳か」と気付くと、鬼道が頷いて「それに」と続ける。
「俺達のゴールはお前が守っているんだ、安心して攻撃に集中できる。そうだろ、皆!」
鬼道の問い掛けに雷門イレブンは笑顔で頷いた。チームメイトが互いを信頼し合っていることが分かる雰囲気に、未だ馴染めずにいた如月も柔らかく微笑む。その瞳が懐かしそうに見つめるのは、その先にいる円堂ではない他の人物だった。
「よし皆、頼むぞ!」
「「おう!!」」
＊
試合開始のホイッスルが鳴る。
染岡のキックオフで豪炎寺にボールが渡ると、雷門イレブンは作戦通り敵陣に切り込んでいった。豪炎寺からボールを受けた一之瀬は、木曽久と先手の2人のディフェンスを身を翻して抜き去っていく。それを見た財前は嬉しそうに笑った。
「「ボディシールド!!」」
「うわあｯ!」
一之瀬からボールを貰った染岡がさらに上がっていく。しかし、角巣･疾風･五洋の3人が立ちはだかり必殺技で止められてしまった。ボールは場外へ弾かれ、その場に倒された染岡は痛みに耐えるように顔を歪める。瞳子はその様子を静かに捉えていた。
「ああっ、惜しい!」
「すごいディフェンスです…!」
「身を挺して守る……まさにSPだわ」
SP宛らの強固な守備にマネージャーも拳を握って試合を見守る。
豪炎寺や鬼道も果敢に攻めるが、相手の高い守備力に行く手を阻まれて雷門イレブンは思うように攻撃できない状態が続いていた。
『染岡君!』
こぼれ球を拾った如月がゴール前にいた染岡へボールを渡す。しかし、彼のドラゴンクラッシュは鉄壁の技によって止められてしまった。
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一森(プロフ) - bizyuさん» コメントありがとうございます! そのように言っていただけて嬉しいです…! 更新頑張ります(^^) (12月25日 2時) (
レス) id: a9a946d0de (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました！これからも一森さんご自身のペースで頑張って下さい(◍•ᴗ•◍) (12月24日 17時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一森 | 作成日時：2023年9月16日 3時
