鶴と虎と。終【刀剣乱舞】 (ページ4)

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195#執務と悠久ページ4

(Side,A)

疲れのせいか、眠そうな折様。

『まだ、眠いですか?』

「なーんかな。瞼が下がってくる」

『膝、貸しますよ』

「んー、頼む」

こうして折様の膝枕をするのは、

もう数えきれないほどしてきた。

私たち付喪神にとっては短い時間でも、

折様にとっては長い時間。

そんな時間を過ごしてきた。

『あの……折様』

「なに」

『……神隠しって興味ありますか?』

恐る恐る、気になっていたことを聞いてみてしまった。

折様は私の方を見上げると、

いつものような悪戯っぽい笑みを浮かべた。

「何だそれ。まぁ、興味はあるかなあ。

　Aたちとずっと居たいって思ってるし、

　もし皆でずっといられるならいいなあなんて思うけどな」

返ってくる答えは、いつもほとんど同じ。

『私も、折様とずっといたいです』

「おいおい、確かに俺もそうだけど、一期が妬くぞ」

『それとこれとは訳が違います』

折様の笑顔は皆を元気にすることができる。

私だっていつまでも折様の笑顔を見ていたい。

「A」

『?』

「俺の本丸に来てくれてありがとな」

そう言って、するりと頬に伸びてくる折様の手。

「ねっむい……寝るから、後は……よろ、しく……」

パタリと下ろされてしまった手。

私は折様の手を握り締めた。

『……神隠し、か』

((微睡みの中で、悲しそうな君を見た))