205#表裏一体と微笑 ページ14
(Side,三日月)
残り2日となった
刀剣たちのソワソワ感は日々増している。
「はて、主は何処だろうか」
執務室を覗いたところ、
書類やら何やらは放り出され、もぬけの殻だった。
サボるために逃げ出した、
とでもなれば歌仙たちが黙ってはおらんだろう。
辺りを見渡していると、物吉が其処へ通りがかった。
「あぁ、三日月さん」
「物吉か。一つ聞きたいことがあるんだが」
「はい?」
「主を見ておらんか。部屋にいなくてなぁ」
「主様なら粟田口部屋の前の縁側で、
薬研くんと不動くんとお話ししていましたよ!」
「ふむ、そうか。助かった」
物吉の言う通り、粟田口部屋の前へ行くと3人はいた。
「あ、三日月」
「主、じじいのことも構ってくれ」
「はいはい。こっちおいで」
主は自分の隣を叩くと、にこりと笑った。
ああ、そうだ。
俺はこの男の笑顔が好きだった。
最初は無邪気な子供らしい笑顔。
今になっては男らしい爽やかな笑顔。
こっちまで笑顔になれる。
「妹がいたそうだな」
「あぁ、うん。名前は聞いてないけど」
「会いたいとは思わぬのか?」
「思わなくはないけど、もういいかなって。
そのうち関係なくなるし」
その言葉に俺と薬研と不動は反応した。
一番はじめに口を開いたのは不動だった。
「主、それどういうことだ?」
「うっわ……ま、まあ、ちょっと家といざこざがあってだな」
「大将、今更隠し事なんざひでぇじゃねぇか」
「折よ、悩みごとなら聞いてやるぞ」
隠し事。
審神者・折の得意なことだ。
まあ、ほとんどバレるがな。
「……近々皆がいる時に話すよ。
話さなきゃいけないと思ってたし」
「気になるじゃねーかよぉー」
「よく言えばお楽しみってやつだよ、不動」
「ガキ扱いすんな!!」
不動をからかって笑う折。
それを見て笑う薬研。
さて、いつまで続くだろうか。
(折様ー、折様ー?)
(あ、A)
(お部屋に戻ってお仕事済ませて下さい。不動、長谷部様が探していましたよ)
(はぁ? 長谷部が俺を?)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 161人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「刀剣乱舞」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：久遠深ヶ | 作成日時：2017年1月15日 17時
