さよならにブライダルベールを添えて。2

61話 ページ21

貴方side



『じゃあ、放送はいれたから二人の親が迎えに来るまで
お姉さん達とお話ししてようか。』



蘭「うん！おねえさんとおしゃべりする！」



…可愛いな。

泣いてたことが嘘みたいに笑ってる蘭ちゃんは
周りに花が飛んでいるように明るい。
ベルさんが"エンジェル"って呼びたがるのも分かる気がする。

新一くんはそっぽ向いてるけどチラチラこっちを見てる。



新一「おねえさんは"がいこくじん"なの？」



ナタリー「そうよ。
今日は柚月さんと一緒に神社の仕事をお手伝いしてるの。」



新一くんはナタリーさんとお話し中。
僕はというと…



蘭「おねえさんは、みこさんなの？」



『違うよ。』



蘭「じゃあ、おはなやさん！」



『ぶぶー』



職業当てゲーム的なの始まった。



新一「けいさつのひと。そうでしょ、おねえさん。」



…へ？

新一くん、ナタリーさんと喋ってたんじゃなかったの？
いつの間にこっちの会話に入ってきたよ。
てか、なんで分かったよ。



『正確に言えば見習いみたいな感じだけどね』



新一くんは当たった嬉しさでにっこり笑って
ガッツポーズをした。可愛いかよ。



ｶﾞﾀﾝｯﾊﾞﾝｯﾀﾞﾝｯﾊﾞｷｯ!←



待って。
なんか変な音しなかった？壊れてないよね？？



？「新ちゃん！」



？「蘭！」



社務所の扉が開いて女性が二人駆け込んできた。
あれ、一人結構な有名人いない？



新一「かあさん！」



蘭「おかあさん！」



笑っていた二人もずっと待っていた
母親の登場に泣き出しそうになる。

駆け出して自分の母親に抱きついた。



…あ、工藤有希子か。



？「新ちゃんがお世話になりました！

よかったわね、新ちゃん。
こんな綺麗なお姉さんたちと一緒にいられて」



新一「ばーろー！んなわけねーだろ！」



綺麗な人に"綺麗なお姉さん"って言われてもね。
新一くん、お口悪いよ。松田みたい。



？「蘭がお世話になりました。」



『いえいえ、気を付けてくださいね。
人が多いので迷子になりやすいですから。』



手を繋いでいた二人はこっちを振り返って
母親の手を離し走ってきた。



蘭「おねえさん、ありがとう！！」



新一「あ、ありがと…」



にっこりと笑って言った蘭ちゃんと
そっぽを向きながら顔を赤くして礼を言う新一くん。

そんな対照的な二人を見てたら微笑ましくて
気づけば僕は笑っていた。



『ふふ、どういたしまして。』

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