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52話 ページ12

貴方side



『…失礼します。』



重々しい扉をゆっくりと開けて中に入ると
室内は静かで物音ひとつひとつが響いて聞こえる



『どういったご用件でしょうか、鬼塚教官。』



室内の奥に置いてある机に向かっている人物。
僕をここへ呼び出した張本人である鬼塚教官だ。

授業の終わりに"放課後教官室に来い"と言われて
周りにいた萩原と松田に弄られて、景光に心配された。
零は何故か知らないけど"大丈夫だろう"とか言うし
伊達は笑って"頑張れ"ってだけ。



鬼塚「今年、公安に二名
推薦枠があるということは知ってるな」



『勿論です。』



鬼塚「その推薦枠にお前を入れようと思う。」



『っ!』



鬼塚「ひとりには降谷を入れている。
降谷からの同意はもう得ているから決定だ。

あとはお前がどうするかだ。」



『……ひとつだけ教えてください

私の上にも人はいるはずです。
それなのにどうして私を推薦するのですか?』



僕は成績的に言えば上から4番目。
1番は零、2番は伊達、3番は景光。

零は分かるとして次に推薦枠に入れるなら
伊達か景光辺りだと思っていたのだけど。



鬼塚「お前の父親がゼロに所属していたからだ」



『えっ』



警察庁警備局警備企画課、通称ゼロ。

テロリズムや宗教、スパイ活動など、
主に国家に対する反社会的活動の情報収集や
予防、捜査、取り締まりを行う機関のこと。



まさか父親がそんなところに所属していたなんて…



鬼塚「優秀な父親の娘で、しかも成績上位者なのだから
あちら側としても願ったり叶ったりだそうだ。」



『……すみません、教官。

公安への推薦はとても嬉しいのですが
そのお話、辞退させてください。』



ペコリと教官に頭を下げる。
部屋の空気の温度が一段と下がった気がした。



鬼塚「何故だ?」



教官の抑揚のない低い声。
他の人ならきっとこの声を聞いた途端に
なりふり構わず逃げるか、泣いてしまうだろう。



『理由は2つです。

ひとつは親の七光りで入りたくないからです。
確かに私は成績上位者ですが、
親が優秀だったからという理由で
国の重要機関に入りたくはありません。

もうひとつは…』



親の七光りで入りたくないのは本当だが
尤もな理由はこっちだ。



『私に公安は向いてないからですよ。』



それを聞いた教官はキョトンとして
笑いだした。



鬼塚「はっはっは、向いてないか

どうしてそう考える?
それなりの理由があるんだろう?」

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スコッチ - いいかのしれません (2020年6月3日 9時) (レス) id: 181466fbb4 (このIDを非表示/違反報告)
ぽこぽん(プロフ) - スコッチさん» いいですねー!いっそのこと伊達さんを除く全ルート作っちゃいますか! (2020年5月29日 8時) (レス) id: b37f06fbda (このIDを非表示/違反報告)
スコッチ - オチは諸伏景光がいいです (2020年5月28日 23時) (レス) id: 38b46500a8 (このIDを非表示/違反報告)
ぽこぽん(プロフ) - NaNa.さん» ありがとうございます!そう言っていただけてすごく嬉しいです!おかげで頑張れそうです(*‘ω‘ *) (2020年5月27日 15時) (レス) id: b37f06fbda (このIDを非表示/違反報告)
NaNa.(プロフ) - ぽこぽんさん» コメントの返信ありがとうございます!了解いたしました!もう一度前のお話を読みながら楽しみに待っております!これからも頑張って下さい! (2020年5月27日 14時) (レス) id: be4bd3f8fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽこぽん | 作成日時:2020年5月12日 19時

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