さよならにブライダルベールを添えて。2

42話 ページ2

貴方side



誰もいない？

そう思ったのもつかの間に
ライトに照らされた銀髪が見えた。

やっぱり誰かいるの？

ゆっくりと近づいていくと
ライトに照らされてその全貌が見えた。



『って、この人…！』



血だらけでぼろぼろだし、
泥で汚れてたり髪が縺れてたりしてるけど
この人を僕は知っている。



"Hi,kitty"



"貴方は何も聞かないのね"



『ベルモット、さん？』



予知夢の中でみた僕の飲み仲間だった人。
互いの職業を知りながら互いに干渉しない
そんな関係だった人。



『っとりあえず、気を失ってるなら…』



ベルモットさんを横抱きにして家に帰る。

ちょうど家が近くてよかったよ。
誰にも見られることなく家へとたどり着けた。



『ただい……』



扉を開けると暦が飛び出してくる。



暦「お帰りなさいませ！柚月様！

……って、どちら様ですか？
ずいぶんと傷が多いようですが。」



『最後まで言わせてね、暦。…それとただいま。

この人はさっき道端で見つけたの。
怪我してるみたいだから連れて帰っちゃった。

とりあえずお風呂に入りたいから手当てをよろしく。
終わったら浴衣を着せて布団に寝かせといて。』



暦「わかりました、いってらっしゃいませ。」



ぺこりと頭を下げた暦にベルモットさんを任せ
先に焚いといてもらったお風呂にはいる。

暖かいお風呂に浸かって身体が解れる。
逆上せない内にさっさ体を洗ってから
用意されていたタオルで体をふき、浴衣を着る。



『暦ぃー、上がったよ……あーあ。』



ベルモットさんを寝かせた部屋に入ると
まあ、案の定というかなんというか。

逃げようとするベルモットさんと
それを押さえつける暦がいた。



？「っく！離しなさいっ！」



暦「いけません！傷が開きます！！」



『はあ、二人とも少し落ち着いてくださいよ

貴方は怪我人なんです。
僕たちは貴方に危害を加える気はありません。
なんなら拳銃をお返ししましょうか？

暦、ご飯を用意してくれるかな？
できれば二人分あるといいんだけど』



暦「お任せください！」



……なんだろ。さっきから暦に犬の尻尾と耳が見える。
まあもとは犬だし、可愛いからいいけどさ。

さてと、問題はこっちだ。



『そんなに警戒心剥き出しにしないで下さいよ。

貴方の持っていた拳銃はこれです。
それから服は勝手ながら洗濯させて貰いました。

どうぞ治るまでゆっくりしていってください



…ここは誰も貴方を傷つけませんから。』

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