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壊れてしまう。自分で狂っていくのがわかって、止められない。笑いながら泣く俺の涙を百鬼丸が辛そうな顔で拭うのをみて、少しでも安心させたくて笑えば余計に悲しそうな顔をさせてしまった。
男は、俺と百鬼丸を拾って治療を施したこの村の医師だった。
その妻に土下座をして詫びられた。
夫の遺骸を前に震えて泣きながら蹲る女を、見下ろす。
女「あ、ああ、ご、ごめんね…ごめんなさい…」
武士ではない、戦争に嫌気が差した者たちが、寄せ集まってできた集落だった。
住みついていた鬼神の怒りを買ってしまった。
土が悪い地に縛られ自給自足もできない。金はない。
贄を捧げれば去ってやらんこともないと言う妖の言葉を信じ贄となる人間を求めていた。
妖が、百鬼丸を欲したのだという。
貴「いい顔して誘い込む方法もあったはずだ。どうして襲った？」
「あなたは、大人しく去ってくれればよかったのだけどお金が無くて。綺麗だから、いい街に行けば買う人があるかと考え直したの」
百鬼丸で鬼神と取引し、俺はどこかへ売り払う。そう計画していたと言う。
化け物と罵ったのははったり。殺す素振りをすれば恐れをなして逃げていくと思った。
百鬼丸を利用して大人しく売られてくれれば後は知ったことではないと。
女「子に食わせるためには仕方なかったの。許してください、どうか祟らないでくださいまし…」
村も父親も失った彼らはこれから先どうしていくのだろう。
まあ、奪った俺が心配する義理はない。
貴「その子を寄越せ。そうすればこれ以上恨んだりしない」
女「どうなさるおつもりですの？」
貴「どうしようとお前の知ったことか」
女「そんな！あんまりではありませんか！亭主も村の人たちも大勢失っているのに、それでもまだ足りないのですか？」
貴「先に奪おうとしたのはそっちだ」
望んで同じ生き方をさせるのは残酷極まりないと知ってそれでも離れられない。
この母子と違って、家族愛でも友愛でも恋情でもない、ただ歪んだ死ぬまでの仲だった。
悔しいな、俺だって愛おしいと思っているのにどこかで捻じ曲がってしまう。
貴「それとも、お前が代わりになるか？選べよ。その子はまだ幼すぎる。お前が決めればいい」
百「A、」
貴「何も言うな」
情緒不安定にも程がある。涙の跡が乾かぬうちにこれだ。
百「やめろ、お前らしくない。こんな真似、」
貴「らしくない？俺は鬼だ、むしろこれまでがらしくなかったんだ」
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藤宮(プロフ) - 有希さん» はい。頂いたレスで集大成だと仰っていたので描きたいなと。夕陽ちゃんの男前さより寄り添う感じが強くなってしまいましたが…完結祝いありがとうございます、危うくうちの子なのに恋しかけました。 (2019年7月26日 17時) (
レス) id: f3757ca821 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - 白頭鷲ですか！？ありがとうございます。私も椿くん描きました。藤宮さんの作品の紹介ページにはりました。よかったら見てくださいな。 (2019年7月26日 8時) (レス) id: c151be2953 (このIDを非表示/違反報告)
藤宮(プロフ) - 有希さん» 遅れ馳せして申し訳ありません。祝完結イラストこちらに上げました。安定の低クオリティですが、気に入っていただけると嬉しいです。完結おめでとうございます。 (2019年7月25日 22時) (レス) id: f3757ca821 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - 嬉しい言葉をありがとうございます。姫抱き感謝です。男前意識してます。か弱くって守られてる子は女としては魅力的ですが、人としてはかっこ悪いと思うので。自分の頭で考えて動ける子目指してるので、そう言っていただけて嬉しいです。ぜひ椿くん描かせてください。 (2019年7月13日 19時) (レス) id: c151be2953 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - ほんとあなた好き。一番読んでほしいところをわかってらっしゃってて。白頭鷲の話が私の集大成みたいなものです。箸休めみたいに入れましたが。鵜の話まで…！あれ実話です。２年も前に見ただけなのに未だに忘れない節回し。せっかくなので投入しました。安定の長文 (2019年7月13日 18時) (レス) id: c151be2953 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤宮 | 作成日時：2019年5月20日 16時
