Fateプリキュア！

優と輝〜再会〜最後の約束 ページ47

〜優視点〜

「未練？」


何かあるかな？…と考えてみたが、そもそもプリキュアになって戦死して…



…となれば未練ありすぎじゃない！


うぅ〜色々と想像できて絞れない…


「優…そんなに考えなくても…」


少し困ったように笑う輝


「優は顔に出やすいからね〜」


「うぅ〜そうでした〜…」



2人で顔を見合わせ吹き出す



私達は久々に声に出して笑った


凄く嬉しかった



また……

こうして輝と笑って過ごせる日が来るとは思ってなかったから…









「ホントのこと言うと……このまま夢から覚めたくない…

夢から覚めて…輝ともう会えなくなるなら…

ずっと…ここに……」


ここまで話すと涙が溢れ出てきた



強くなったと…もう泣かないと思ってたのに…


私、まだまだ…だな





「うん……そうだよね…


別れは…辛いから…



私の未練は……


優や澪、爛を残して死んだこと…かな





私はみんなを守れた、と思ってたけどそれは私の独りよがりでしかなく…



逆に澪達を苦しめてた原因だった……




酷い話…

犠牲は犠牲しか生まれないってこういうことなんだね…


そのせいで今の世界の輝にも迷惑かけちゃってるし…




本当…ごめん……




謝って済むことじゃないのは分かってる


でも…私には…もうこれしか出来ないから…」



「輝……」



「優……

澪がこうなったのは私の責任だから…私がなんとかするよ


じゃないと成仏できないしね！」



笑って明るく振る舞っているが、本当は余程辛いのだろう



目には涙を浮べている…


私の前では無理をしてでも泣きたくないのだろう

いや…それは私だけではなく、かつて輝と時を過ごしその壮絶な最期を見届けた澪や爛にも同じことをするはず




その様子を見ているだけでも苦しかった



「だから心配しないで…」



輝はいつもそうだ…自分ですべて背負い込む



だからあの時だって…






すると、輝はブランコを降りて私の前にしゃがみ、同じくらいの高さになる



そして黙って私の手をとると



優しく…思いを伝えるように───祈るように



強く強く────


私の手を握った




瞑っている目からは…一粒の涙がこぼれ落ちた









「今度は……



優が手を伸ばして握って…



もう一人の私に…」




「うん……うん！」


泣きながらも何度も頷き、手を繋ぎ───強く握った





これが…本当に…最後の約束───







「じゃあ……ね」







輝が……消えるまで。

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