澪〜記憶の彼方 最期の闘い〜 ページ46
〜澪視点〜
建物は崩れ、ところどころに火が立ち上っている
足下には瓦礫などがたくさんあり地面には亀裂が入っている
辺りは暗く人もいない
そんな街の様子を私達は見ていた
今まで一緒にいて、どんなことがあっても諦めなかった輝は…
今まさに目の前に立ちはだかっている巨大な敵に戦いを挑もうとしている
だが、既にプリキュアの変身は解けた私は絶望し、泣きながらひたすら謝ることしか出来なかった
「ごめん…こんなことになるならプリキュアなんてならなきゃよかった…」
私が弱いから輝を守れない…
それにこんな薄っぺらい言葉だけじゃ…
輝を止めることはできない
そんなことぐらい分かっている
でも…もしかしたら、なんて。
輝は強いね。本当に
どうしてこんな私と一緒にいてくれたのか…
ずっと前に話してくれた気がしたが今は思い出せない
輝は、焦げたり破れたりしているがなんとかプリキュアの衣装のまま持ちこたえている
「…それじゃあ行ってくるね…」
輝の決意を固めた表情
「ここで…待ってて…
すぐ戻ってくるから」
しかしすぐにいつもの優しい笑顔を見せる
私にはその笑顔だけが…
今の…ただ一つの希望だった
輝は腰の羽を広げ敵に向かって飛び立とうとしている
待って……行かないで……
こんなに思いも、涙も、溢れてくるのに声が出ない
そして私の口から出た言葉は
「いってらっしゃい…」
これだけだった
涙を拭き、流れようとする涙をこらえて笑顔で言った
「…うん…ごめんね
今までありがとう…」
その背中に向かって繋がれるはずもない手を伸ばす
当然今は、いつもなら握ってくれる手に温もりはなく、代わりに炎で温まった風が手の隙間に通り抜けるだけ
私は…前を向き敵に立ち向かっていく輝のその背中に、手を伸ばし泣きながら見送るしか出来なかった。
輝を死なせないために…その運命を変えるため──何度も時間を繰り返してきた
だが、そのたびに手を伸ばすことに意味がないことを知った
いつか…輝が
私が伸ばしたその手を掴み、離さずずっと一緒に居てくれる───
そう願い…希望を持っていたのかもしれない
だが、その希望も繰り返す時間の中で絶望に変わっていった
どんなに手を伸ばしても届かない
そもそもこんなこと自体無意味だ、と思うようになってしまった
これが…ロストギアの力に呑まれ狂ってしまった原因
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加藤琉那(プロフ) - ニチアサ大好きさん» 参加者が少ないのでお願いいたします (2016年7月16日 10時) (レス) id: daf2783810 (このIDを非表示/違反報告)
ニチアサ大好き(プロフ) - 最後のほう責めてるわけではなく…疑問に思ったので。 (2016年7月14日 18時) (レス) id: 4a4d7842a1 (このIDを非表示/違反報告)
ニチアサ大好き(プロフ) - 加藤琉那さん» コメントありがとうございます 募集企画の宣伝というのはどうすれば良いのでしょうか? あとどうして私なんですか (2016年7月14日 18時) (レス) id: 4a4d7842a1 (このIDを非表示/違反報告)
加藤琉那(プロフ) - 募集企画やってます広告してほしいです (2016年7月14日 15時) (レス) id: daf2783810 (このIDを非表示/違反報告)
ニチアサ大好き(プロフ) - せつなさん» はいっ!!読んでいただき、またコメントもありがとうございますm(__)m頑張ります(^o^ゞ今後の展開もお楽しみに! (2016年5月22日 20時) (レス) id: 4a4d7842a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニチアサ大好き | 作成日時:2015年5月30日 8時