【Fate】推しのマスターになりまして。【赤弓】

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そうして、なんとか瀕死の私はアーチャーと澪を送り出し(因みに流石にあの格好だと目立ちすぎるので取り敢えず今は魔力で目立たないような服を編んでもらった)、キッチンに立つ。

家事全般をするようになってから、早7年。
掃除だけしてた期間を入れると9年近く。
故に、歳の割にばばくさ……否、節約術やらなんやらの主婦として生きていく為に必要な知識やスキルは既に身に付けている。

「待って……あの料理上手で有名なアーチャーに何作ればいいの、私？」

＿＿されど、私は頭を抱えていた。

誰かに料理を作るだなんて久しぶり過ぎる。
最後に作ったのはいつだったか、覚えてすらいない。
その上アーチャーのような大人の男性に料理を振る舞うなんて初めてだ。

……いや、実を言えば振る舞おうとしたことなら、何度かある。
有りはするけど、それは全て叶う事は無かった。

とまぁ、それは一旦置いておいて、そんな事より今考えるべきはこれから成すことだ。
時間はそこまで無いから凝ったものは作れない。

つまり、時間がかかるカレーなんかも除外だ。
カレーは簡単で美味しいけど、煮込むのに案外時間がかかるものなのだ。
それに、食べる人数がそんなに居ない状況で作ると余る。絶対に余る。
それは数日、長ければ1週間ほどカレー続きになることを意味する。
どれだけ美味しくても、それはいくらなんでも飽きてしまうというものだ。

でも、推しに出す料理なのだからとびっきり美味しいものを用意したい。
幸い昨日買い出しに行ったばかりなので材料には困らない。

まぁ最も、人数が増えたので明日街に行くついでに食材も買う必要はあるが、今はとりあえず置いておく。

「助けて、グ●グル先生……。」

そんな事を言いながら「料理 美味しい 早い レシピ」で検索をかけ、色んなレシピを見ていく。
どうせ振る舞うなら美味しくて

「キッシュ……それだ!!」

キッシュなら美味しいし、オーブンで焼いている間に付け合わせのサラダやスープなんかも用意できる。
さっすが私、天才。

うんうん、と1人で頷きながら私はさっと髪を縛り、お気に入りのエプロンを手に取って身に着けたのであった。

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