【Fate】推しのマスターになりまして。【赤弓】

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「で、アーチャー。そんな事より、私からの質問なんだけど。ちゃんと霊体化出来んの？私と逢ってから1回も霊体化してないけど。」
「む……。それは勿論、当たり前だろう。ほら、こうすると霊体化出来る。」

未だ若干顔を紅く染めたままのアーチャーだったが、澪はそんなことお構いなしに質問を投げかける。
するとアーチャーは目を閉じ、どうやら霊体化しようとして若干体が薄くなり……

「……出来てないけど？」

＿＿何かに阻まれたかのように、元に戻った。

「な……!?召喚自体は少々特殊だったとは言え、ラインは正常だと言うのに、何故……!!」
「ふーむ、セイバー……アルトリアの時とは事情が違いそうだしなぁ……。そうだ、魔術師、探す？」

困惑したような声色のアーチャーに、私は顎に手を添えながら感想を口にする。
こういうのはやっぱり、魔術師じゃない私達が考察するより専門家に診て貰った方が良いだろう。

「魔術師を探すつったって……どうやって？」
「第五次のセイバーと士郎が使った方式を採用するの。令呪は令呪同士、サーヴァントはサーヴァント同士共鳴しあうんでしょ？しかも、ちゃんとした魔術師なら魔術師が近くに居る事ぐらいは分かるし、その魔力の持ち主を判別することも有る程度は可能だったはず。なら、聖杯戦争が起きてると仮定して、街を歩いてれば管理者とか、それに近しい魔術師に出くわせるかもしれないじゃん？」

幸い、明日は土曜日だし学校も休みだし!!と言えば、澪は「まぁ確かに、それぐらいしか現状を確認する方法は無いか……。」と溜息を吐く。

「私は反対だな。状況が分からない今、他の魔術師に接触するのは危険すぎる。先程も伝えた通り、戦闘に支障は無い。加えて、君は魔術師の知識が合っても一般人に過ぎないのだろう？ならば、こちらから動くのは得策とはお世辞にも言えん。それに、今の私達の目的は聖杯戦争を勝ち抜くことでは無く、聖杯戦争に参加せず、安全を確保しマスター達の日常を護ることだと認識しているが……違ったかね？」
「それはそうなんだけど……。今のアーチャーって人間で言えば素人には分からない病気にかかってる状態でしょ？なら、私個人としてはお医者様……この場合は魔術師の人に診てもらいたいなって思うんだけど、だめ？」
「だめとかそういう話では無く、その為のリスクを負う必要が無いという話でだな＿＿。」

私とアーチャーが議論し合っている前で、澪は退屈そうに大きな欠伸をしたのだった。

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