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「じゃあまた明日ね〜〜、A!!」
「お邪魔しました、でしょう。」
「ん、じゃあアーチャー、Aのこと頼んだ。」

それぞれの個性が表れた別れの言葉を口にして、3人はそれぞれの家に帰っていく。
それとなく何かあれば私に連絡するように言っておいたし、まぁ多分大丈夫……だと信じたい。

「A……って、あのなぁ……。」

例の如く、急に名前を呼ばれて慌てた私がこけかけると、呆れた表情のアーチャーに支えられてしまう。
うぅ、面目ない……。
でもアーチャーの声が良いのが良くないと私は思います。

「それで、気を取り直して本題に入るが。」

そう言いながらしれっとキッチンに入っていくアーチャーに私がぎょっとすると、アーチャーは「君にだけ負担をかけるのは私のモットーに反するからね。」と言いウインクをする。
うっ、この釣り同好会のお兄さんめ……。

「今日は円滑な人間関係……基、私が召喚されたことによる摩擦を軽減させるため、と目をつぶったが、次からは彼女達と関わるのは辞めた方が彼女たちの為だろう。分かるな、マスター?」
「……うん、私も聖杯戦争にもサーヴァントにも無関係な皆を巻き込むのは不本意だし、分かった。気を付ける。」

何か野菜を切りながらそう言うアーチャーに、私は神妙な表情で頷いて答える。
アーチャーの言っている事は分かるし、最もだ。
アーチャーの言う通りにするべきなのだろう、とも思う。

「……ならば文句は__」
「でもさ、アーチャー。私も別に考え無しって訳じゃないの。」
「……何?」
「私が召喚した日に話したこと、覚えてる?」
「街を歩いて自分自身が餌になる、というアレか……。……真逆。」
「そ、皆と仲良くしてれば、皆も餌になるでしょ?」
「貴様、何を言っているのか理解して__!!」
「……理解はしてるよ。人でなしだってことも、こんな手を魔術師じゃない、一般人の私が取った異常さも。でもさ……私、欲しいんだもん。聖杯。」
「……聖杯、か。」

アーチャーは初めて私を見るかのような表情を浮かべて、聖杯という言葉を口の中で転がしていたのであった。

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設定タグ:Fate , 夢小説 , エミヤ   
作品ジャンル:アニメ
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セツナ(プロフ) - 推しが推ししてる。この状況になったら尊死するしかない (8月31日 10時) (レス) @page10 id: 2ea77c9340 (このIDを非表示/違反報告)
キラ(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く面白くて、めちゃくちゃ好きです!!続き待ってます!! (2022年1月1日 23時) (レス) @page40 id: b207c7ff5b (このIDを非表示/違反報告)
minto(プロフ) - こんにちは!最近読み始めたのですが、序盤のエミヤくんが可愛すぎて悶えてました 。 まだ全てを読んでいないので分かりませんがこういうシーンをもっと増やしてくれると嬉しいでs((((( (2021年9月8日 15時) (レス) id: bfa34b5595 (このIDを非表示/違反報告)
業猫(プロフ) - ロゼファさん» コメント&応援ありがとうございます、私もなりたいです(笑)子ギル君良いですよね〜〜!!FGOでの大人のギル様達に対する反応とか可愛いなぁって思います……(笑) (2021年1月10日 18時) (レス) id: 3f4322bc19 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼファ(プロフ) - こんにちは私も推しのマスターになりたいです更新頑張って下さいちなみに僕の推しは子ギルです(聞かれてない) (2021年1月10日 18時) (レス) id: f43344f619 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:業猫 | 作成日時:2020年12月15日 1時

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