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私の右手、もっと言えば人差し指から撃ち放たれたガンドは、犬の横腹に命中した。
｢キャゥッ！｣
犬は情けない悲鳴を上げ、反対側まで吹き飛び、壁に当たってひっくり返った。痩せこけて肋骨の浮いた腹を見せたまま動かなくなる。
私は軽く息を吐く。こんなので奴を殺せるわけはないが、多少の時間稼ぎにはなるだろう。私のガンドはサーヴァントにもスフィンクにも時にはビーストにも効果を発揮する。ただし一時的な行動不能状態、つまりスタンをかけるくらいにしかならない。便利なんだか不便利なんだか。
恐怖の対象であった犬が動かなくなったため、生徒達の間から拍手が起こる。殺った！と喜ばせて上げたいのは山々なのだが、世界とは斯くも非情なものである、奴は死んではいない。
途端、犬の腹がぼこぼこと不自然に波打ち始める。まぁ、そうでしょうね。
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作者名：何かの魚 | 作成日時：2017年5月14日 5時
