星のカービィトリップ小説--第一章--トリップの魔法--

5-4. ムニエル ページ38

「ここです」

そこにはしっかりと整頓してある綺麗なキッチンがあった

「ありがとうございます」

葵は棚にある料理道具を確認した

鍋、フライパン…

基本的な物は揃っている

一つ一つがとても綺麗だ

「ん…？綺麗…？」

葵はある一つの考えが浮かんだ

しかし、そのことはしっかりと本人に聞かなければいけないのと思った

葵は冷蔵庫を確認する

「ふぅ…」

安心した

食材はしっかりとある

葵はいくつかの食材を取り出して調理する

今回は鮭のムニエルを作る

ﾄﾝﾄﾝ…

葵は包丁の切るリズムに乗りながら鼻歌を歌い出す

「ふーん…ふんふん」

自然と手が動いていく

「これでok」

葵は使った道具を洗い始める

葵は洗いながら考えていた

-メタナイトのことを-

メタナイトはいつも葵に冷たく接している

確かに、何処から来たのかも

ﾜﾀｼ
葵が何者かも

わからないから…

だけど

出来るだけ

仲良く話したい

そんな願いを抱いている

そんな事を考えていると、料理が出来たようだった

料理を盛り付けてメタナイト達がいる所に運ぶ

メタナイトは座っていて、葵が来ると葵の方を向いた

「出来ました」

葵は綺麗に皿を並べる

ソードがそっと鮭を口に運ぶ

ｺﾞｸﾘ…

それはソードが鮭を喉を通す音なのか

はたまた葵が唾を飲む音なのか

今の葵にはわからなかった

「どうなんだソード？」

ブレイドがソードに尋ねる

「…い」

ソードが顔を上げてブレイドに言う

「美味いぞ！これ！」

ソードはパクパクと食べ続ける

ブレイドもソードの食べる姿を見てパクリと一口食べる

ブレイドはそれをきっかけに食べ続ける

葵はふとメタナイトの方を見る

メタナイトは黙々と食べていて、ソードよりも量が減っているのに気づいた

メタナイトは葵の方を見て話した

「…美味しかった」

葵はその答えがただ嬉しかった

「ほ…本当ですか！？」

「あぁ」

メタナイトは仮面を付けているから表情がわからないがこれだけはわかる

多分、喜んでいる

「私でよかったらまた作りますよ！」

「…頼む」

葵は立ち上がってドアノブに手をかける

「また来ますね」

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メタナイトside

葵が私達の部屋に来て料理を振る舞ってくれた

普段、料理はしないので新鮮な気持ちだ

私が美味しいと伝えると葵は笑顔になった

葵は料理をした後はでていった

だが私の頭の中で

彼女の笑顔が離れなかった

私は

彼女の事が…

これは胸にしまっておこう

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