Which do you like better, knight or prince? (ページ12)

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不審者か王子かー2 8/14更新ページ12

どこかで聞き覚えのある声だ。

「さあ？そんな人、知りません」

適当に誤魔化しつつ、相手の表情を探ろうとするが、マスクとサングラスに邪魔されてほとんど読めない。

「じゃあ、聞き方を変えよう。トライクロニカのカイとリクの妹さんだよね？僕は二人と知り合いなんだけど、ちょっと話せないかな？」

怪し過ぎる。
でも、相手は私のことを知っているらしい。これ以上は誤魔化せないだろう。

「急いんでるんですが」

急いでいるのは本当だ。できるだけ、暗くなり過ぎないうちに帰りたい。最近はこの辺りにも不審者が出るというし。……まさか。私は、注意深く相手を見た。その不審者ってもしかして、私の前にいる……

「あれ？まだ警戒されてる？ああ、でも、女の子はそれぐらいした方がいいよ」

そういうと、その人はサングラスとマスクをズラした。

「コレでどうかな？」

サングラスとマスクの下から出てきた顔は私でも知ってる、というより、ついさっきまで話の中心にいたーー。

「シュウ☆ゾーさん？」

小声で呼びかけると、シュウ☆ゾーさんは人差し指を口の前でピンと立て「しーっ」と言った。

「分かってもらえたかな？じゃあ、改めて。今、ちょっとだけ、話す時間ある？」

流石に兄二人がお世話になってる人を無下にするわけにもいかず、私は大人しく頷いた。