０７ 期待に応えたい ページ9
「ジェイ、何やってるの？」
マルが話しかけた時、ジェイはちょうど自分のポケットからフライドポテトを取り出したところだった。ちなみにカルロスはまだゲームの中の敵と戦っている。
「何って、『盗み』さ」
彼のベッドには既に彼が学校で盗んだものが置かれていた。いくつかの金の指輪、何かの記念品、小銭入れ、腕時計。さらには食べかけのピザまであった。
ジェイの異常なまでの盗み癖は父親が原因だった。ジャファーは息子をスリに育て上げて自身が経営する質屋の商品の仕入れ役を強制し、ジェイの盗みの成果が良くない時は店の今にも崩れそうな棚の下で寝かせるなど懲罰を与えてきた。そのせいで必要か不必要か考える間も無く、目についたものは何でも盗むようになってしまったのだ。
「ジェイもやってみろよ！」
カルロスからヌンチャク型のコントローラーを受け取ったジェイは筋肉隆々の腕を振り回し、次々とゲームの中の敵をやっつけていった。カルロスが歓声を上げる。
「ちょっと！ 何のためにここまで来たか忘れたの？」
マルが咎めるが、ゲームに夢中なジェイは「フェアリー・ゴッドマザーだとか、魔法の杖だとか、そんなのだろ」と全く本気で取り合わなかった。
「親に認められる、一度きりのチャンスなんだよ」
その言葉にジェイはゲームをやめて振り返り、カルロスとイヴィも真剣な表情を浮かべる。Aは足早に出入り口に向かうと扉を勢いよく開け、素早く左右を見て部屋の前に誰もいないことを確認した。
「私たちが邪悪で、危険で、非情で、残酷だって分かってもらう。そうでしょ？」
マルが問い、四人が頷く。ここでAが、先程話そうとしていたことを切り出した。
「あのさ。ついさっき小耳に挟んだんだけど、魔法の杖は『文化歴史博物館』ってところにあるみたい。行ってきた生徒の様子からすると、ここから三・七キロ先だと思う」
イヴィが魔法の鏡(見た目は小さな手鏡)を取り出して杖の場所を確かめると、『三・七キロ先にある博物館』とAの言った通りの答えが出た。
「上出来。さすがA」
マルが褒めると「どうも」とAは僅かに笑った。
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闍弥嵩 李(プロフ) - 夢さん» ありがとうございます！ 申し訳ないのですが、この作品で完結させたいと思っているので続編の予定は今のところありません……。 (12月8日 10時) (
レス) id: 6a8608f031 (このIDを非表示/違反報告)
夢 - こんばんは。ディセンダントがめっちゃ好きでその中でもこの作品が一番好きです！ディセンダント2とかって書けたりしますか？できればお願いします！ (12月7日 21時) (レス) @page30 id: b05a1258a4 (このIDを非表示/違反報告)
闍弥嵩 李(プロフ) - ち の ち ゃ ん 。さん» ありがとうございます！めっちゃ嬉しいです！ (2022年9月25日 18時) (レス) id: d43cc1ea1d (このIDを非表示/違反報告)
ち の ち ゃ ん 。(プロフ) - うんわ好き。すきむりすき (2022年9月23日 10時) (レス) @page16 id: a284f3be6e (このIDを非表示/違反報告)
闍弥嵩 李(プロフ) - 百華夜さん» ありがとうございます！ クールな夢主さん書いてみたかったんです！ (2022年9月13日 20時) (レス) id: d43cc1ea1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：闍弥嵩 李 | 作成日時：2022年8月17日 16時
