２６ 再来 ページ28
「ただいま！」
マレフィセントが陽気に手を広げてみせると、人々は騒めいた。
「ママ、帰って！」マルが言う。
「おかしな子ね！ ……さあ、杖をよこしなさい」
マルは素直に渡すと見せかけ、フェアリー・ゴッドマザーに杖を投げた。杖を受け取り、フェアリー・ゴッドマザーが呪文を唱える。
「ビビディ・バビディ――」
「ブー！」
マレフィセントが自身の杖を勢いよくあげると、マルたち五人を除く全員の動きが止まった。
「さあ、どうしようか？」
彼女は奪ったフェアリー・ゴッドマザーの杖をマルの左手に向ける。するとマルの指からベンの指輪が抜けて杖にはまった。
「あら、ぴったり！」
娘の悲痛な表情にも気づかず、マレフィセントはふざけるようにベンの顔を自分のほうに向かせ、王冠をずらした。
「愛なんて弱くて、くだらない。そんなもの、
マレフィセントはマルとAに向けて言った。確かにそう思い込もうとした時期がAにもあった。だが、今は違う。
「私が欲しいものなんて知らないくせに！ 私の気持ち、一度も聞いたことないでしょ？」マルが涙を流す。
「私はママじゃないの！」
「そりゃあそうよ。私は何年も何年も努力して、ここまでの悪になったの。お前もなれる」
「なりたくない！ ママにも悪い人になってほしくなかった。愛は弱くないし、くだらなくもない。とても素晴らしいものなんだよ」
「ひとつ教えてあげる。お前の人生に愛なんて必要ないの！」
マレフィセントが杖を向けるが、すかさずマルが手を伸ばして呪文を口にした。
「魔法の杖よ、この手に戻れ！」
すると杖はマルの手の中に戻り、「うまくいった！」と彼女は喜んだ。
「どうかしら。そんな未熟で子供騙しな魔法。杖を渡しなさい！」
「だめだマル！ 善は悪に勝てるはずだ」カルロスが言う。
「やだ、笑わせないで！ ワン！」
マレフィセントが馬鹿にするように犬の吠え真似をすると、入り口の方から走ってきたデュードが彼女の腕の中に飛び込んだ。
「もう、あっちに行きなさい！」
マレフィセントがデュードを追い払った隙にジェイが彼女の杖を掴んだが、簡単に吹っ飛ばされてしまった。
「そこまで！ お前たち、まとめて後悔させてあげる」
緑の炎があがったかと思うと、マレフィセントはあっという間に巨大な黒いドラゴンへと姿を変えた。
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闍弥嵩 李(プロフ) - 夢さん» ありがとうございます！ 申し訳ないのですが、この作品で完結させたいと思っているので続編の予定は今のところありません……。 (12月8日 10時) (
レス) id: 6a8608f031 (このIDを非表示/違反報告)
夢 - こんばんは。ディセンダントがめっちゃ好きでその中でもこの作品が一番好きです！ディセンダント2とかって書けたりしますか？できればお願いします！ (12月7日 21時) (レス) @page30 id: b05a1258a4 (このIDを非表示/違反報告)
闍弥嵩 李(プロフ) - ち の ち ゃ ん 。さん» ありがとうございます！めっちゃ嬉しいです！ (2022年9月25日 18時) (レス) id: d43cc1ea1d (このIDを非表示/違反報告)
ち の ち ゃ ん 。(プロフ) - うんわ好き。すきむりすき (2022年9月23日 10時) (レス) @page16 id: a284f3be6e (このIDを非表示/違反報告)
闍弥嵩 李(プロフ) - 百華夜さん» ありがとうございます！ クールな夢主さん書いてみたかったんです！ (2022年9月13日 20時) (レス) id: d43cc1ea1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：闍弥嵩 李 | 作成日時：2022年8月17日 16時
