サンイーター03 ページ38
そんな中、ゆらりと人影が揺れる。
「おいおいおいおい、空から国家権力が…」
「！」
「不思議なこともあるもんだ」
男が3人。敵意剥き出しにこちらを睨みつける彼らに、ファットガムが我慢ならないと両の拳をぶつけ合う。
「よっぽど全面戦争したいらしいな……！ さすがにそろそろプロの力を見せつけ━━━━……」
「その『プロの力』は、目的のために……！！」
ファットガムを制し、前に出る天喰。フードを被り直した彼は、真っ直ぐに男たちを睨みつける。さっきまで狼狽していたことが嘘のようだった。
「こんな時間稼ぎ要員━━━━━……俺一人で充分だ」
「そんな…一人でなんて無茶です！」
『窃盗』の窃野。『結晶』の宝生。『食』の多部。いずれもリストに載っていたメンバーだ。そして彼らの手には、拳銃。
「あぶなっ……」
その引金が鳴る、刹那
━━━━━━━━━━━━━ギュルンッ！！
巨大な二枚貝が男達を襲う。その貝ががぱりと開き、両手指を蛸の足に変化させた天喰が現れた。その触手は自在に伸び、巨大化し、そして3人をいとも簡単に縛り上げた。そのまま、彼らを壁に叩きつける。
「こいつらは相手にするだけ無駄だ。何人ものプロがこの場に留まっている状況がもう思うツボだ」
「でも先輩……」
「スピード勝負なら一秒でも無駄にできない！」
「…！」
あの天喰が、切島の声を遮るように叫んだ。
「イレイザー筆頭にプロの個性はこの先に取っておくべきだ！！ 蠢く地下を突破するパワーも！ 拳銃を持つ警察も！」
そして天喰は、今までにない力強い声で言ったのだ。
「ファットガム━━━━━━━俺なら1人で3人完封できる！！」
刹那、ファットガムは躊躇し……しかし、選択した。
「いくぞ、あの扉や！」
天喰にこの場を任せて、進む道を。
「皆さん！！」
一瞬天喰がこちらを振り向き、叫んだ。
「ミリオを頼むよ！」
それは、先に行った通形を、かけがえのない友人を思う言葉だった。
「あいつは…絶対無理するから、助けてやってくれ」
「……！」
本当なら、自分が真っ先に駆けつけたいだろう。けれど天喰は、最善策として自らこの場に留まる選択をした。
「あまっ……サンイーター！！」
「！」
「先に行ってます！ 必ず追いついて！」
そして身を翻し、Aは扉の外へかける皆に続く。
その背後で、天喰は
「後輩にああ言われんたんじゃ、行かない訳にはいかないよな……」
そう、ぽつりと呟いていた。
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SangriA(プロフ) - KAREN(´･ω･｀)さん» コメありがとうございます！面白いって言ってもらえてすごく嬉しいです！そして長いのに一気読みお疲れ様です…！これからもよろしくお願いします！ (2018年11月12日 22時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
KAREN(´･ω･｀)(プロフ) - 今日最初から一気読みしました！めちゃくちゃこの作品面白いですね！途中ニヤニヤしちゃう時があって（笑）これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2018年11月11日 23時) (レス) id: deeddcab94 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - まなまなさん» コメありがとうございます！長いのに一気……ありがとうございます！更新頑張ります。栄養士もよろしくお願いしますー♪ (2018年11月5日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
まなまな - 一気に読んでしまいました！更新大変かもしれませんが、頑張ってください(*^^*)轟くんの栄養士の方も楽しみにしてますd(^_^o) (2018年11月5日 16時) (レス) id: 554649d889 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 亜純さん» コメありがとうございます！すごく嬉しいです…！更新がんばるのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年11月4日 18時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2018年10月31日 23時
