それは想像以上の絶望03 ページ22
「回復すんなら安心だな。致命傷にはならねえ」
ロックロックの言葉に、ナイトアイは頷かなかった。
「いえ……その辺はイレイザーヘッドから」
「俺の『抹消』とはちょっと違うみたいですね。俺は個性を攻撃しているわけじゃないので」
相澤が言うには、基本となる人体に特別な仕組みが付与されたのが個性。その付与されたものが『個性因子』と呼ばれているが、相澤の『抹消』はその個性因子を一時停止させるもの。それそのものにダメージを与える訳では無い。……だが。
「環が撃たれた直後、病院で見てもらったんやが、その個性因子が傷ついとったんや」
「！」
恐ろしい考えが浮かんだのは、Aだけではないだろう。もしその『クスリ』が未完成のもので、今だ研究が続けられているとしたら。そしてそれがいつか、完成してしまったら……個性因子を完全に破壊できる……つまり、個性を永久になくす、そんな恐ろしいモノが世に出回る。妄想のような現実が、目の前に迫っているのではないか。
「その撃ち込まれたモノの解析は？」
「それが環の身体は他に異常なし！ ただただ個性だけが破壊された！ 撃った連中もダンマリ！ 銃はバラバラ！！ 弾も撃ったっキリしか所持していかった！ ただ……」
そこでふっと、ファットガムはきょとんとしている切島を指さす。
「切島くんが身を挺して弾いたおかげで、中身の入った一発が手に入ったっちゅーわけや！」
「俺っスか！！ びっくりした！！ 急にきた！！」
本人に自覚はなかったようだが、彼のおかげで『クスリ』の解析がなされた。もしかしたら、その『クスリ』に対抗する術も見つかるかもしれない。きらりと光る希望が見えて、そして……次の瞬間、
「中身を調べた結果、ムッチャ気色悪いモンが出てきた……」
希望とは真逆の━━━━━━━真っ暗な、絶望が見えた。
「人の血ィや細胞が入っとった」
(━━━━━━━━━━━血や、細胞……？)
頭の片隅で……ふと、おぞましい、ある可能性が思い浮かぶ。
(まさか………そんなわけ…)
「つまり……その効果は人由来……個性ってこと？ 個性による個性破壊……」
リューキュウのつぶやきに、しかし、ヒーローたちはある疑問にまゆをひそめる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 595人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SangriA(プロフ) - KAREN(´･ω･｀)さん» コメありがとうございます！面白いって言ってもらえてすごく嬉しいです！そして長いのに一気読みお疲れ様です…！これからもよろしくお願いします！ (2018年11月12日 22時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
KAREN(´･ω･｀)(プロフ) - 今日最初から一気読みしました！めちゃくちゃこの作品面白いですね！途中ニヤニヤしちゃう時があって（笑）これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2018年11月11日 23時) (レス) id: deeddcab94 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - まなまなさん» コメありがとうございます！長いのに一気……ありがとうございます！更新頑張ります。栄養士もよろしくお願いしますー♪ (2018年11月5日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
まなまな - 一気に読んでしまいました！更新大変かもしれませんが、頑張ってください(*^^*)轟くんの栄養士の方も楽しみにしてますd(^_^o) (2018年11月5日 16時) (レス) id: 554649d889 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 亜純さん» コメありがとうございます！すごく嬉しいです…！更新がんばるのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年11月4日 18時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SangriA | 作成日時：2018年10月31日 23時
