採用03 ページ48
「僕、全く達成できてないですけど！」
やはり印鑑は押せていなかったらしい。だが、ナイトアイはこう宣った。
「印鑑を奪り自分で押せとは言ったが、出来なければ不採用とは言っていない」
「そんな……」
「いずっくんやったじゃん！！」
「い、いや僕ほんとなにも……」
素直に喜べないのか、出久は未だ戸惑っている。そんな彼にナイトアイは印鑑を渡した。渡した、というより、ぞんざいに投げてよこした感じだ。
「貴様が来ると聞いた時点で採用は決定していた」
「え……」
「貴様が使えぬ人材ではないこともわかった」
「え……！」
「だが認めたわけではない」
すっと、出久を見るナイトアイの目が、冷たく光った気がした。
「象徴なき今、人々は『微かな光』じゃなく『眩い光』を求めている。たとえ彼の意に反しようとも……いま誰がその力に相応しいか、プロの現場で痛感してもらう」
(………？ どういうことだろう)
ナイトアイがなぜそんなことを出久に言ったのか。Aにはわからなかったが、しかし出久はそれを聞いて、何かを決意したように受け取った印鑑を握りしめた。
「よろしくお願いします」
その顔がとても必死に見えたのは、果たして気の所為だろうか。
「さて、と…………では次、語部A」
「ぁっ、は、はい！！」
名前を呼ばれ、背筋が伸びる。
「君も、ミリオから推薦があった時点で採用は決定していた……が」
「………？」
「実力確認のため、力試しをしてもらおう。バブルガール」
「はいっ」
「語部と戦え」
「！？」
ばっと勢いよくバブルガールを見る。ナイトアイほどではないのだろうが、彼の下でサイドキックとして活動する彼女の実力は、決して低いものでは無いはずだ。
「USJ事件での対応、雄英高校体育祭3位、エンデヴァーヒーロー事務所での実績、先日の敵連合による誘拐からの無傷での生還、そして、初見のミリオに一撃入れた事実……君の実力が低くはないのは明らかだ」
だからこそ、と彼は言う。
「その実力がどれほどのものか……見せてもらう」
「……！」
試されている。今までの全てを見せてみろと。
(バブルガール……ごめんなさい)
これは、手を抜くわけにはいかない。
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SangriA(プロフ) - あいうえお。さん» お久しぶりでございます！いつの間にか7です……！9月に書き始めたシリーズなのにおかしいな……。これからも更新がんばりますのでよろしくお願いします！ (2018年10月26日 22時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお。 - 久しぶりのコメント、いつのまにかもう7。更新が進む進む。低下する私の語彙力。←←更新頑張ってください！(唐突←← (2018年10月25日 23時) (レス) id: a39bf4407f (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 雪音さん» そう言ってもらえてありがたやですー( ´ ▽ ` )更新がんばりますねー (2018年10月20日 22時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - SangriAさん» 試験面白い！忙しい中レスありがとうございます！頑張ってください！ (2018年10月18日 23時) (レス) id: d204d91f16 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 雪音さん» ありがとうございます！まだまだ更新がんばるので楽しんでくれたら嬉しいです！ (2018年10月18日 19時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2018年10月17日 21時
