採用01 ページ46
(いずっくん……)
ドア一枚隔てて、見えないその向こうの彼を案ずる。とびきり厳しい条件だ。信じるしかないが、不安は拭えない。
「あの、君、語部さんだよね？」
「えっ、あ！ すみません！ ご挨拶が遅れて……！」
声をかけてきたのはバブルガールだ。頭を下げるAに、彼女は笑っていいのいいのと言ってくれた。
「もう知ってると思うけど、私はバブルガール。サーのサイドキックね。ねえそれより、ミリオくんに一撃入れたんだって？ すごいじゃない！」
「いえ、あれは、そもそも一対一じゃないですし、なんていうか、ほんとせこい不意打ちで……」
「そんなこと言ったらミリオくんなんて個性自体不意打ちじみてるじゃない」
「タハー！ バブルガール、それは辛辣だよね！」
笑う通形を横に、バブルガールはAの頭を撫でた。
「この事務所、男の人ばっかりだから楽しみにしてたの」
「あ、ありがとうございますっ…！ でもわたし、採用してもらえるかどうか……」
出久も心配だが、自分だって同じだ。どんな条件を出されるか、わかったものではない。
しかし、不安げなAに通形はあっけらかんとして言った。
「それはノープロブレムだと思うんだよね！」
「え？」
「私もね、語部さんに関しては心配してないよ。ミリオくん直接の推薦だし、それに、彼にどんな形であれ一撃決めている……。それだけでポイント高いからね」
「は、はあ……」
「ただ、あの子……緑谷くんはわからないけど」
「っ……」
「……緑谷くんが心配かい？ メルヘン少女」
「だからそのメルヘン少女……いや、もういいです。……心配ですよ、もちろん」
ナイトアイの個性、それは『予知』。条件を満たせば、その人物の取りうる行動を『見る』ことができる。
「行動を先読みされてるのに、それを攻略しなきゃいけないなんて……」
「……そうだね。はっきり言って、お先ダークネスだ」
(お先ダークネス……)
突っ込むべきか突っ込まざるべきか。
「サーも意地悪なことするんだから……。ミリオくん、あんな実技面接やってたっけ？」
「俺はサーからの指名だったのでやってないですよね」
(やっぱり、通形先輩は凄いんだ……)
彼の中の光るものを、ナイトアイは見抜いたのだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 553人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SangriA(プロフ) - あいうえお。さん» お久しぶりでございます！いつの間にか7です……！9月に書き始めたシリーズなのにおかしいな……。これからも更新がんばりますのでよろしくお願いします！ (2018年10月26日 22時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお。 - 久しぶりのコメント、いつのまにかもう7。更新が進む進む。低下する私の語彙力。←←更新頑張ってください！(唐突←← (2018年10月25日 23時) (レス) id: a39bf4407f (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 雪音さん» そう言ってもらえてありがたやですー( ´ ▽ ` )更新がんばりますねー (2018年10月20日 22時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - SangriAさん» 試験面白い！忙しい中レスありがとうございます！頑張ってください！ (2018年10月18日 23時) (レス) id: d204d91f16 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 雪音さん» ありがとうございます！まだまだ更新がんばるので楽しんでくれたら嬉しいです！ (2018年10月18日 19時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SangriA | 作成日時：2018年10月17日 21時
