挑め仮免試験02 ページ43
嵐のような男が去った後、相澤がぽつりと呟く。
「夜嵐イナサ……ありゃあ、強いぞ」
「！」
勢いばかりのわけがわからない男だと思ったが、相澤が言うのだ。相当な力が有ると見ていい。
「夜嵐。昨年度……つまりお前らの年の推薦入試、トップの成績で合格したにも拘らず、なぜか入学を辞退した男だ」
「えっ……！？」
推薦で、トップ。それはつまり。
(焦凍以上の実力ってこと……！？)
ちらりと焦凍を見る。彼は、特になんの表情も浮かべていない。
「焦凍……あの夜嵐って人の事、何か知ってる？」
「いや、覚えてねえな」
「そう……」
(どんな個性かだけでもわかれば良かったんだけど……)
「……気になるのか」
「まあ、ね。そもそも雄英が好きとか言ってるのにその合格を蹴ったっていうのもなんか腑に落ちないし」
「…………」
「？」
「……そんなに気になるか？」
「え。だって個性とか少しでもわかれば、もしかしたら有利になれるかもしれないし……」
「ほんとにそれだけか？」
「………焦凍、まさか馬鹿みたいなこと考えてないよね？」
「………」
焦凍が目を逸らした。Aは呆れたようにため息をつく。
「あのね、わたしが好きなのは焦凍なの。それ以外の男はそういう意味で見てないから」
「………そうか」
焦凍の頬が、目に見えて緩む。
「やあやあ噂通りお熱いじゃないか！」
「！」
よく通る声に振り返る。オレンジのバンダナが目立つその女性は、真っ白な歯でニカッと笑った。そしてその姿を認めるなり、相澤の顔がひくりと引きつった。
「ようイレイザー！ 直で会うのは久しぶりだな！！」
どうやら相澤とは面識があるらしい。
「生徒に負けずさ、私ら結婚しようぜ」
「しない」
(うわあ)
あの相澤に、冗談でもそんなことを言える女性がいることに驚きだ。
「しないのかよ！！ ウケる！」
「相変わらず絡みづらいな、ジョーク」
「スマイルヒーロー『Ms.ジョーク』！ 個性は『爆笑』！ 近くの人を強制的に笑わせて思考・行動共に鈍らせるんだ！ 彼女の敵退治は狂気に満ちてるよ！」
「いずっくん流石の解説役」
しかし、強制的に笑わせる……。ちら、とAは焦凍を見た。
「なんだ？」
「……いや、焦凍はそのままでいいなって」
「？ そうか」
爆笑する彼も、ちょっとは見てみたいが。怖いもの見たさに近い。
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SangriA(プロフ) - yu-kariさん» コメありがとうございます！嬉しいです(>ω<)これからもよろしくお願いします！ (2018年10月7日 19時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
yu-kari - とても面白いです！続き待っときます！ (2018年10月7日 15時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 胡桃 りんごさん» コメありがとうございます！こちらこそ、読んでくれてありがとうございます。これからも更新していくのでよろしくお願いします！ (2018年10月6日 23時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
胡桃 りんご(プロフ) - 続編おめでとうございます いつも更新ありがとうございます (2018年10月6日 23時) (レス) id: c748bcabcd (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - mayumiさん» 展開についてはネタバレになるのでお話できません。ご了承ください。 (2018年10月6日 22時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2018年10月6日 21時
