焦りは禁物05 ページ46
(なんで、こうなった……)
『お前、俺が呼んだら絶対逃げただろ』
ということで、お茶子に頼みこんだらしい。ちなみにお茶子は二つ返事で了承したそうだ。
確かに、もしまた一緒に帰ろうと言われたら、なんやかんや理由をつけて断るつもりだった。なんなら少し距離をおいて、頭を冷やすつもりだったのに。
「…………」
「…………」
(せめてなんか話してっ……！)
どうして無言なんだ、と叫びたい衝動を抑える。できるなら逃げてしまいたい。
一歩、一歩。ゆっくりと運ばれる足。のろのろと流れる時間。
(歩幅、合わせてくれてる、とか)
気づかなくていいのに、気づいてしまう。
(たまにこっち見て、だいじょぶか確認してくれてる、とか)
ここにいたら……色々なことに、気づいてしまう。
「………………悪い。語部」
不意の、謝罪だった。
「っ、え？」
「悪かった」
歩みが止まり、こちらも止まる。
「い、いやっ、わたしも、逃げるみたいなことして、本当に、ごめんっ……」
「いや、お前に非はねぇよ」
ふるふるとふられる首。さらさらと揺れる髪。
「……なあ、なんて言ったら良いのかわかんねぇけど、聞いてくれ」
迷子みたいな目をして、そんなことを言う。
「俺は、今までまともに人づきあいをしてこなかったと思う」
平坦なくせに、寂しそうな声。
「だから、お前が俺のことで困ってるっつうか、気まずくなってんのもわかってたのに、どうしたら良いかわからなくなって、独りよがりになった」
きゅっと、握られている拳。
「……とられる、みたく思った。緑谷や飯田が、お前と話してんの見て、焦っちまった」
「……………」
どうしたら良いかわからないのは、彼も同じだったのかもしれない。いや、多分、自分以上に戸惑っていたのかもしれないと、Aは思う。
「引くよな。会って何日かしかたってないのに……避けられたって、仕方ねぇ」
長い睫毛に縁取られた瞳が伏せられる。迷っているように、揺れる。
「でも、お前に避けられるのは……キツい」
(轟くんも、悩んでるんだ)
「ほんの少しでも、避けられてるのが、なんか、耐えられねぇって、思って」
「轟くん……」
「だから……これは俺のワガママだ。また、普通に、話とかしてほしい」
きっとこれは、彼の、悩んだ末の、最高の誠意だ。どうしたらいいかわからなくても、必死に考えてくれた結果だ。そしてそれを、ちゃんと言葉にして伝えてくれた。
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SangriA(プロフ) - 鳩ぽっぽさん» はじめましてー。知ってますよ。今はたまにログインする程度ですが(´д⊂)キャラデザが好きです。 (2019年5月16日 22時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
鳩ぽっぽ - シノアリス知ってるんですか？！(落ち着け) (2019年5月16日 19時) (レス) id: b1d6b85d01 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - フユキさん» コメありがとうございます！シノアリスいいですよね(*°∀°)シノアリスは衣装がみんな可愛いので特に好きなグレーテルにしました(^-^) (2018年9月18日 15時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
フユキ(プロフ) - おっふシノアリス知ってる人だ。グレーテルソーサラー居ないけど可愛いですよね。 (2018年9月18日 11時) (レス) id: e79ac6a0b2 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - バエルさん» ご指摘ありがとうございます！わかってたんですがご都合主義でお隣にしました…。不自然ですみません。 (2018年9月17日 11時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2018年9月5日 3時
