本気でやり合おう03 ページ35
『スタート！！』
(轟くんの個性が、どれだけ強力なのかはわからない。でも、一気に方をつけようとするなら……)
ひゅう、と、冷たい空気が流れ込んできた。
「うわっ、さむっ！」
先手必勝の、全体氷結。
(そう来ると思った……！)
「二人とも、打ち合わせ通りいくよ！」
「ああ！ 頼む！」
(さあ、今日のお話は)
「『北風と太陽』！」
北風と太陽が、旅人の外套を脱がせる競走をするイソップ童話。力任せの風じゃなく、暑さによって旅人が自ら外套を脱ぐよう促した賢い太陽が勝つ話だ。
「太陽さん、旅人さんのコートを脱がせちゃおう」
ぽかぽかなんてものではない。ガンガン温度が上がっていく。
「ぅあっつい……」
足元まで来ていた氷が溶けていく。これで出鼻はくじいた。
「語部、すごいな……！」
「ありがとー。でも、轟くんの個性も、想像以上だね」
物を凍らせるということは、対象の熱を奪うということ。それをこの規模でやってのけるとは……やはり、油断を許してくれるような相手ではない。
(でもわたしたちは、わたしたちの勝ち筋を通す)
「じゃあ、さっきのプランでよろしく」
「ラジャ！」
「行ってくる！」
出ていった2人を見送り、Aは待機。ヒーローチームを発見するまで、連絡を待つ。
『Aちゃん、2階の東突き当たりで2人発見！』
「わかった。こっちに気づいてる様子は？」
『今のところなぃっ…………』
『いや、障子に気付かれた！』
(予想してたけど、鋭いな)
残念ながら奇襲はできなかったようだ。しかし、一手が駄目でも、まだまだ立て直しはできる。寧ろ、人数と核の位置を把握している点で、まだこちらが有利だ。
「奇襲はだめだったけど、2人ともよろしくね」
『ガッテン！』
『わかった！』
「尾白くん、そこは承知って言って欲しかったな」
『しょ、承知！』
「あはは、ありがとー」
(素直に聞いてくれるんだ)
「でも無理しないで。ヒットアンドアウェイで、確保だけはされないようにね」
『OK！』
『承知！』
(尾白くん律儀なのなぁ……)
作戦は至ってシンプル。Aの個性で焦凍の氷結を弱体化する間、尾白と透に2人の相手をしてもらう。この作戦の目的は時間稼ぎと、ヒーロー側の体力をそぐこと。2人を分断するか、倒せればベストだが、無理にそこまでするつもりはない。数的優位はこちらにあるのだから、無理をしてそれをみすみす手放さないようにだけ気をつける。
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SangriA(プロフ) - 鳩ぽっぽさん» はじめましてー。知ってますよ。今はたまにログインする程度ですが(´д⊂)キャラデザが好きです。 (2019年5月16日 22時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
鳩ぽっぽ - シノアリス知ってるんですか？！(落ち着け) (2019年5月16日 19時) (レス) id: b1d6b85d01 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - フユキさん» コメありがとうございます！シノアリスいいですよね(*°∀°)シノアリスは衣装がみんな可愛いので特に好きなグレーテルにしました(^-^) (2018年9月18日 15時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
フユキ(プロフ) - おっふシノアリス知ってる人だ。グレーテルソーサラー居ないけど可愛いですよね。 (2018年9月18日 11時) (レス) id: e79ac6a0b2 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - バエルさん» ご指摘ありがとうございます！わかってたんですがご都合主義でお隣にしました…。不自然ですみません。 (2018年9月17日 11時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2018年9月5日 3時
