【番外編】犬も食わないなんとやら03 ページ35
(間違ってるって思うことをそのままにしとくなんて、漢じゃねえや！)
ここは友のために一肌脱ぐところ！ と彼は息巻いた。
「語部！」
「？ 切島くんどうしたの？」
「轟のことだけどよ、話くらい聞いてやれよ」
「……」
(うっ…！)
すうっと目を細めたAに、切島は一瞬たじろいだ。しかしここが踏ん張りどころと気合いを入れる。
「なんかやらかしたのかも知んねえけど、あいつだって謝ろうとしてんだから、話聞いてやるのは筋だろ？」
「……ないんだよね」
「え？」
ぼそりと呟かれた言葉を聞き取れず、切島は思わず聞き返した。
そして、
(…聞かなきゃよかった…)
なんか、知りたくないことを知った気がした。
(ちょっとやりすぎちゃったかな)
そろそろ許してあげる…というか、やりすぎた自覚はある。Aは一人苦笑した。
(ああでも、やっぱりもったいない…いやだめでしょ。これ以上は流石に…)
「Aっ！」
「おぅっ！？」
部屋に入ろうとドアを開けたところで、後ろからタックルをくらう。結果、そのまま部屋にダイブすることになった。けっこう痛い。
「いたた…」
「！ 悪ィ！」
背中からぱっと重量が消えた。
体を起こして振り返ると、見慣れた紅白の頭。
「A！！」
「ふぐっ」
そして再び、光の速さで拘束された。
「えっと、焦凍？」
「！！」
「へっ？」
「今日初めて名前呼ばれた…」
「あ…あー…」
(マジか、わたし…でも…)
流石にやりすぎだと心中頭を抱える。
さて、何故彼女がここまで意固地になっていたかというと、真相はこうである。
(焦凍が凹んでるの可愛すぎて…！)
いや、最初は本当に怒っていたのだ。あまりに人前でくっつくものだから、注意した。わかった？ と言った後、焦凍は頷いてこう言った。
『ああ。怒ってる顔も可愛いんだな』
『……』
聞けよと。話聞けよと。
それならこっちだって聞いてやるもんかとスルーしていたら、しょんぼり顔が可愛くて仕方なくなってしまった。
「…ごめん。やりすぎた」
「…！ 怒ってないのか？」
「(かわっ…！)…ん。もう怒ってない」
自分けっこうヤバい性格してるかもしれない…とAはなんとも言えない気持ちになりながら、それでもやっぱり可愛いなあと思いながら、焦凍の頭を撫でていた。
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ちなみにお茶子ちゃんが見たヤバい目付きは、怒ってるんじゃなく凹んでる轟氏への恍惚の眼差しでした(ﾟﾛﾟ)
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ゆーゆー - はじめまして！！ゆーゆーと申します！リクエスト(妹からの)で、休日に2人でくすぐり我慢対決とかしてほしい(らしい)です！ (2022年3月26日 6時) (
レス) @page1 id: e2fc0ce383 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 初めましてお疲れ様です。見つけてから何度も読み返しております。素敵な作品ありがとうございます。ifも好きすぎて最低3回以上読み返してます。応援しております！未来編素敵すぎて悶えてます。また更新したら読みたいです！ご自分のペースで頑張ってください (2019年9月17日 22時) (レス) id: e8adf9ce5f (このIDを非表示/違反報告)
まなまな - リクエストに応えていただきありがとうございました！これからも応援してます＾＾SangriAさんのペースでファイトです！ (2019年9月9日 19時) (レス) id: 2f1a76a566 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 火凛さん» コメントありがとうございます。子どもを増やすかどうか…今後考えたいですね。これからもよろしくお願いします！ (2019年9月6日 22時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 咲凪さん» 読んでいた抱きありがとうございます！いつか書けたらと思ってます。そのときはまたよろしくお願いします！ (2019年9月6日 22時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2019年6月23日 23時
