【未来編】甘やかしてください03 ページ32
首を傾げる仕草に胸を撃ち抜かれつつ、Aはそれでも迷った。迷ったが、結論は最初から決まっていたようにも思う。
「……1回だけだからね」
「！」
(そんな、嬉しそうにされたら…)
何でも聞いてあげたくなる、なんて思いながら、Aは水を口に含んだ。ひんやりと口腔が満たされたまま、焦凍と唇を重ねる。
「んっ…」
鼻から抜けるような声は、どちらのものだったかわからない。こくん、と焦凍の喉がなって、Aはそっと唇を離した。
「ま、満足した…？」
「ん…」
イエスともノーとも言わず、焦凍はぎゅうとAに抱きつく。
「A、A…」
「焦凍、だいぶ酔ってる…？」
「ん…酔ってる、から…」
「？」
「だから、甘えさせろ…」
「！？」
甘い掠れた声でそんなことを言われて、心臓がうるさく騒ぐ。
「悪ィ…でも、やっぱ無理だ。俺…」
「…？」
「かっこ悪ィのわかってる、けど…」
相当寄っているのだろう。つらつらと、文脈も危うい言葉が零れていく。
「燦凍に嫉妬するとか…バカだ…」
「焦凍…」
「ガキみてえ…お前に、かまってほしいとか、もっとお前に触れたいとか…」
焦凍の掌が、Aの頬をするりと撫でた。
「堪え性とか、お前の前だとなんもなくなっちまうんだ…」
バツが悪そうに言う焦凍に、Aは、ふっと柔らかく笑った。
「我慢、しなくたっていいよ」
「っ…」
「焦凍を甘やかすのはわたしの特権だもん」
「……それ、すげぇ久々に聞いた」
「うん。久々に言った」
Aは、優しく焦凍の頭を撫でた。
「焦凍が甘えてくれるの、すごく嬉しい」
「……」
「ていうか、わたしも、ちょっと寂しかったっていうか…」
「！」
「だから、あのね、その、もっと、ぉっ！？」
視界が、ぐるり。次の瞬間目に映った、天井と焦凍の顔。
「え？ え？」
「ンな可愛いこと言われたら、なあ…？」
「え、ちょ、ま、ここリビング…」
「関係ねえな」
「だ、だって、燦凍がおきちゃ───────」
「おとうさん、おかあさん、なにしてるの…？」
「ゥウ腕ひしぎ逆十字固めェ！！」
「がっ…！」
咄嗟にAは…関節をキメにいった。
「あああ燦凍！？ これはねアレ、あのね、そう！ プロレスごっこ！」
「A…ごっこのレベルじゃねえっ…」
こんな展開マジにあんのか…と、酔いも覚めた夜中2時のできごとだった。
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オチがこんなで申し訳ない(´・ω・｀)
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ゆーゆー - はじめまして！！ゆーゆーと申します！リクエスト(妹からの)で、休日に2人でくすぐり我慢対決とかしてほしい(らしい)です！ (2022年3月26日 6時) (
レス) @page1 id: e2fc0ce383 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 初めましてお疲れ様です。見つけてから何度も読み返しております。素敵な作品ありがとうございます。ifも好きすぎて最低3回以上読み返してます。応援しております！未来編素敵すぎて悶えてます。また更新したら読みたいです！ご自分のペースで頑張ってください (2019年9月17日 22時) (レス) id: e8adf9ce5f (このIDを非表示/違反報告)
まなまな - リクエストに応えていただきありがとうございました！これからも応援してます＾＾SangriAさんのペースでファイトです！ (2019年9月9日 19時) (レス) id: 2f1a76a566 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 火凛さん» コメントありがとうございます。子どもを増やすかどうか…今後考えたいですね。これからもよろしくお願いします！ (2019年9月6日 22時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 咲凪さん» 読んでいた抱きありがとうございます！いつか書けたらと思ってます。そのときはまたよろしくお願いします！ (2019年9月6日 22時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2019年6月23日 23時
