【未来編】病める時も健やかなる時も02 ページ22
(ほんとに…綺麗だな)
光を受けて輝く、光沢のあるドレス。両肩が顕になったデザインは大人っぽいが、Aによく似合っていた。首元のネックレスも、ゆれるイヤリングも、キラキラと輝いて揺れている。
いつもはおろしている髪は編み上げられ、アップになったことで細くて白い首や項が目立っていた。化粧は柔らかいピンクを基調に、口紅は鮮やかな赤色で、けれど決して悪目立ちすることなく、不思議とよく馴染んでいた。
けれど何より、Aが。A自身が。
身に纏うドレスよりも、宝石よりも、何よりも、輝いているように見えた。
「…なんか、夢みたいだな」
「わたしも、そんな感じしてた」
「でも、現実だよな」
「うん…」
「…幸せだな」
焦凍が目を細めて、ふわ、と微笑む。それにドキリと胸を高鳴らせながら、Aもまた、焦凍に見蕩れていた。
(かっこいいな…)
白いタキシードをここまで着こなせる十代って…と、そんなことを思ってしまうくらいだ。いつもは無造作な髪も今日ばかりはセットされている。右側だけをバックに、それだけでいつもとかなり雰囲気が違った。いつもよりしっかりと見える青い目。その透明感に吸い込まれそうだと思うのは、贔屓目が過ぎるだろうか。
「焦凍…」
「ん？」
「あのね、わたし…凄く、ドキドキしてきて」
「俺もだ。お前の姿見たら…これからなんだなって…」
「わたしも、そう。だから、あのね、始まるまで、手、握ってて」
「ああ」
レースグローブを外して、差し出された手に手を重ねる。
「病める時も、健やかなる時も…か」
愛おしそうにAの手をにぎって、不意に、焦凍が言った。
「今更だよな」
「ふふ…。そうかも」
出会ってから、本当に色々なことがあった。ありすぎるくらいに。
でも、どんな辛い時も、そして幸せな時も、必ず互いの傍らに、互いがいた。互いだけを愛してきたと、自信を持って言える。
(死がふたりを分かつまで…なんて)
きっと、死んでからだって、一緒だ。
小さな銀色の光が、それぞれの指に光っている。
焦凍の手がそっと、Aの顔を隠すベールを上げた。
「では、誓いのキスを」
キスなんて何度もしてきたのに、なんだか初めてするみたくドキドキした。唇どうしが合わさった時、拍手がおこったけれど、その音もどこか遠くて、ただ、焦凍の声がやけにはっきりと聞こえた。
「…俺のだ」
「そんなの、ずっと前からだよ」
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ゆーゆー - はじめまして！！ゆーゆーと申します！リクエスト(妹からの)で、休日に2人でくすぐり我慢対決とかしてほしい(らしい)です！ (2022年3月26日 6時) (
レス) @page1 id: e2fc0ce383 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 初めましてお疲れ様です。見つけてから何度も読み返しております。素敵な作品ありがとうございます。ifも好きすぎて最低3回以上読み返してます。応援しております！未来編素敵すぎて悶えてます。また更新したら読みたいです！ご自分のペースで頑張ってください (2019年9月17日 22時) (レス) id: e8adf9ce5f (このIDを非表示/違反報告)
まなまな - リクエストに応えていただきありがとうございました！これからも応援してます＾＾SangriAさんのペースでファイトです！ (2019年9月9日 19時) (レス) id: 2f1a76a566 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 火凛さん» コメントありがとうございます。子どもを増やすかどうか…今後考えたいですね。これからもよろしくお願いします！ (2019年9月6日 22時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 咲凪さん» 読んでいた抱きありがとうございます！いつか書けたらと思ってます。そのときはまたよろしくお願いします！ (2019年9月6日 22時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2019年6月23日 23時
