【未来編】たまには親子水入らず03 ページ11
ファンの護衛があるとは知らず、その後も3人は遊園地を心ゆくまで楽しんだ。
今日わかったことだが、燦凍はスリルのあるものを好むらしい。そんなことも知らなかったと
、Aは思う。
もちろん精一杯愛情を注いでいるつもりだが、実際に一緒にいる時間も、きっと思っている以上に大切なのだろう。
「花火ー！！」
焦凍に肩車をしてもらい、パレードにはしゃぐ燦凍は、本当に楽しそうだった。そんな様子を見ると、普段我慢を強いてしまっているように思えて、胸が苦しくなる。
「？ お母さん、どうしたの？」
「ううん。きれいだね」
「うん！」
燦凍の大きな目に、色とりどりの花火が映っている。それが弾けて消える度、燦凍はわあっと声を上げていた。
(…わたしは)
ヒーローでありたい。それがずっと、目標だったから。
けれど、結婚して、子どもができて、母親でもありたくて。
(欲張りなのかなあ)
いつか、大切なものを取りこぼしてしまいやしないか。そんな風に思うのだ。
「よく寝てるな」
「疲れたんだよ。つつかないで」
「…すまん。柔らかそうで」
しかしそんな父親の悪戯にも反応がないほど、燦凍はぐっすり眠っていた。
「…楽しかったな」
「うん。すっごく」
「普通の家族って、こんな感じなのか」
「多分ね」
「やっぱ…けっこう我慢させてたよな」
「……うん」
少しだけ、沈黙する。
燦凍の静かな寝息だけが聞こえてきた。
「………焦凍」
「ん？」
「少し、お仕事減らしてもいいかな」
やっぱり燦凍ともっといたいや、とAは笑った。
「ヒーロー活動を全面休止にはできないけど、テレビとか、雑誌とかさ、そういうの減らせば、何とかなると思うんだ」
「……」
「ていうか、これはわたしのワガママで…ヒーローも、母親も…どっちかだけなんて、選べない」
欲張りなのはわかっている。
けれどどうしても、切り捨てることは嫌だった。
「…ズリィな」
「っ…」
「お前だけ、燦凍との時間増やすのはズリィだろ」
「……？」
「お前がヒーローやってるときは俺が父親、俺がヒーローやってるときはお前は母親だ。それなら平等だろ」
「焦凍…」
「それでたまに二人で休み合わせて、今日みたく思い切り遊ぶ」
「…うん…」
だから、1人で済まそうとすんな、と。
頭を撫でてくれる焦凍に、Aはこくりと頷いて、笑った。
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後日、轟一家を見ると家庭円満になれるジンクスが広まります。
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ゆーゆー - はじめまして！！ゆーゆーと申します！リクエスト(妹からの)で、休日に2人でくすぐり我慢対決とかしてほしい(らしい)です！ (2022年3月26日 6時) (
レス) @page1 id: e2fc0ce383 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 初めましてお疲れ様です。見つけてから何度も読み返しております。素敵な作品ありがとうございます。ifも好きすぎて最低3回以上読み返してます。応援しております！未来編素敵すぎて悶えてます。また更新したら読みたいです！ご自分のペースで頑張ってください (2019年9月17日 22時) (レス) id: e8adf9ce5f (このIDを非表示/違反報告)
まなまな - リクエストに応えていただきありがとうございました！これからも応援してます＾＾SangriAさんのペースでファイトです！ (2019年9月9日 19時) (レス) id: 2f1a76a566 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 火凛さん» コメントありがとうございます。子どもを増やすかどうか…今後考えたいですね。これからもよろしくお願いします！ (2019年9月6日 22時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - 咲凪さん» 読んでいた抱きありがとうございます！いつか書けたらと思ってます。そのときはまたよろしくお願いします！ (2019年9月6日 22時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2019年6月23日 23時
