空を灼く03 ページ38
満身創痍のエンデヴァーに、羽を使い尽くしたホークス。そこへ見計らったかのように、荼毘の襲撃。
「エンデヴァーさんが…！」
他のヒーローたちは炎の壁に行く手を阻まれている。加勢は、絶望的───────
──────────ダァンっ！！
その時、何かが
「あれは…！」
兎のような長い耳。尻尾。
白いコスチュームに、同じく白く長い髪。
ヒーロービルボードチャートNo.5、ミルコ。
彼女が、青く燃え盛る炎のその向こうへ跳んでいった。
(どうなったの…！？)
炎が邪魔して、その中で何が起こっているのかわからない。
しかし、それは一瞬のことだった。
──────────ザアッ…
炎が割れ、そして、幻のように掻き消える。
そこに荼毘の姿はもうなかった。
『…危機は…荼毘は退き…敵は…消えました…！』
テレビの向こうの声が、事態の収束を物語っていた。
今度こそ、終わったのだ。
『──────────っ私の声は彼らに届いていません…しかし！ 言わせてください！！』
泣きそうな声が。人々の歓声が。
『エンデヴァー！！ そしてホークス！！ 守ってくれました！！ 命を賭して！ 勝ってくれました！！』
その時代の到来を、告げていた。
『新たなる頂点がそこに！ 私は伝えたい！！ 伝えたいよ、あそこにいるヒーローに！！ ありがとうと！！』
(凄かったなあ…)
エンデヴァーの戦いを思い出し、Aは思わずため息をついた。
オールマイトのように、たった一人の圧倒的な勝利ではない。ホークスが、ヒーローたちが、支えて、助けて、やっと掴んだ辛勝。
それが、何よりも輝いて見えた。
「………」
…そして、もう一つの出来事。
(荼毘…)
ぞわりと、悪寒が背筋をはっていく。
こんな恐怖が自分の中に眠っていたなんて、思いもしなかった。
(いや…目を背けてただけ、かな)
思えば、あの出来事を深く考えないようにしていたのかもしれない。オールマイトに赦されて、それで終わりだと思い込んでいただけだ。
「…」
…情けないと、思う。
でも
(……負けるもんか)
そう思うのも、確かだ。
(みんな、何かと向き合ってる)
焦凍も、エンデヴァーも。出久やクラスのみんな、どんな人だって。
(わたしだけ、逃げるわけにいかない)
絶対に。
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SangriA(プロフ) - 轟沙季さん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです(>ω<)更新がんばりますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年3月25日 23時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
轟沙季 - この作品は素晴らしいです！続きも読みたいです！図々しいですが更新よろしくお願いします！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: 558a8f9c64 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - アトさん» コメありがとうございます！いつの間にかこんなに長く…でも楽しみにしてもらえてるのすごく嬉しいです。これからもがんばります！ (2019年2月25日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - りんさん» コメありがとうございます！いつも読んでもらえて嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年2月25日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
アト(プロフ) - こんなに続いてる神作初めて見ました…！！フェアリーテール楽しみにしてます！！！！ (2019年2月24日 23時) (レス) id: 405929ea37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2019年1月26日 20時
