見てるぞ02 ページ35
『─────てきとうな事言うなや！！』
「！」
怒号も、悲鳴も、泣き声もかき分けて。
その声は、真っ直ぐにこちらに届いた。
『どこ見て喋りよっとやテレビ！ あれ見ろや！！』
その、名も知らぬ少年が指さす方。
空に立ち上る、紅蓮の炎。
『まだ炎上がっとるやろうが！ 見えとるやろが！！ エンデヴァー生きて戦っとるやろうが！！』
その言葉は、真っ直ぐに。どこまでも、真っ直ぐに。
『おらん
その真っ直ぐさは、信じている証拠。
心の底から、エンデヴァーを信じている証。
「エンデヴァーさん、戦ってる…」
「A…」
「…ちゃんと、見てなきゃ」
「…ああ」
ぎゅっと、繋いだ手に力をこめた。正直、脚が震えている。怖い。もしかしたら、万が一…悪い想像は絶えない。信じてるから平気だなんて、そんなのは馬鹿だ。けれど、信じすらしないのは、きっともっと、馬鹿だ。
そして、映像が切り替わる。
『再び空からの映像です。あっ！！ 黒の敵が…あっ！！ 避難先へ！！ ああ！！ 追っています！ しかし追っています！』
それはまるで、自らの熱で身を焼き尽くす、流星のような。
『エンデヴァー────────！！』
その時。
紅蓮の炎を纏った背中に、紅蓮の翼がばさりと広がった。
(ホークスの…！)
『剛翼』の羽が幾重にも重なり、エンデヴァーの背を押す。炎の勢いにスピードが上乗せされ、そのエネルギーの分火力も跳ね上がる。
そして。
空中で、エンデヴァーと脳無が組み合った。
『アアアァァアアアア゛──────！！』
獣のような咆哮は、どちらのものか。
紅蓮の翼を広げて、エンデヴァーは脳無にその炎を叩き込む。カッと眩い光は、昼間の空の明るさなど霞むほどに。逃げ惑う人々さえ、その光に振り返った。
『エンデヴァー…』
リポーターの声が、再び聞こえた。
『──────────戦っています』
しかしそれはもう、彼を否定するものではない。
「親父…っ」
「エンデヴァーさん…」
『身を捩り…足掻きながら！！』
血塗れで、ボロボロで、それでも、足掻いて、足掻いて、足掻いて。
その、無様で泥くさい姿を。
諦めないで立ち続ける、執念を。
「──────────見てるぞ！！！」
「──────────見てますよ！！！」
誰もが、その目で見ていたのだ。
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SangriA(プロフ) - 轟沙季さん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです(>ω<)更新がんばりますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年3月25日 23時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
轟沙季 - この作品は素晴らしいです！続きも読みたいです！図々しいですが更新よろしくお願いします！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: 558a8f9c64 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - アトさん» コメありがとうございます！いつの間にかこんなに長く…でも楽しみにしてもらえてるのすごく嬉しいです。これからもがんばります！ (2019年2月25日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - りんさん» コメありがとうございます！いつも読んでもらえて嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年2月25日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
アト(プロフ) - こんなに続いてる神作初めて見ました…！！フェアリーテール楽しみにしてます！！！！ (2019年2月24日 23時) (レス) id: 405929ea37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2019年1月26日 20時
