青天の霹靂02 ページ32
エンデヴァーの五指に、炎が集まる。
「俺の娘の方が、上だな」
指から放たれた炎は、まるで蜘蛛の糸のように脳無へと伸びる。それは脳無の巨躯を捉え、そのままやき焦がす。
はず、だった。
「！」
脳無が熱線をくぐりぬけ、そしてエンデヴァーを真正面から捉えた。そこから、抜け出す間もなく。
━━━━━━━━━ガシャァアアン！！！
ビルに叩きつけられ、粉々に砕け散るガラスもろとも反対側まで突き抜ける。ビル内の人々の悲鳴が聞こえた。自身を掴んで話さないその巨大な手を、消し炭になるほどに燃やすも、その腕はすぐに再生していく。
そして、尚恐ろしいことに。
脳無は異常に伸びた腕を横凪にはらい、
(崩れる…！)
ズズ、と切断されたビルの上部がゆっくりとズレていく。真下は大通り。このままではビルの中の人々も、そして地上の人々も、その多くに被害が及ぶ。
━━━━━━━━ぶわっ……
不意に、赤い羽根が舞った。
「被害部分の76名全員避難完了！ エンデヴァーさん！！」
個性『剛翼』で被害者を避難させたホークスが叫ぶ。その声に反射にも似た速度でエンデヴァーが反応。熱線を自在に操り、そして、崩れ落ちようとするビル上部を微塵に焼き切った。
「みじん切り粗いですよ、均等に切ってもらわないと！」
一枚単位で操ることが出来る羽を駆使し、瓦礫全てを受け止めたホークスが冗談交じりに叫ぶ。しかし、これで危機が去った訳では無い。
━━━━━━━━━ボコッ…
脳無の体が、ところどころ不自然に膨れ上がる。その巨大な出来物はどんどん膨れ、そして破裂するようにそれぞれが弾け飛んだ。
(『分裂』…！？)
弾け飛んだそれぞれが人のような形を取る。それは、新たな脳無。加勢に来たヒーローたちは、突如として街に放たれたそれらを無視できない。つまり、この本命の脳無を相手取るのに、味方の支援は期待できなくなってしまった。
(この脳無、考えている…！)
今まで報告にあった脳無にはなかった特徴だ。早く、方をつけなければならない。しかし。
「もウ…う撃たない…のカ？ ね熱っっせ熱線」
「……」
「そそれとも撃うてないない…？ だだとしたら…」
(勘も良いと来たかよ)
『赫灼熱拳』は炎を超高温に圧縮する一撃必殺。連発すれば体温が上昇し、身体機能が低下する。
…だが、パワー、スピード。共に負けている以上。
(出し惜しみは命取り…！)
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SangriA(プロフ) - 轟沙季さん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです(>ω<)更新がんばりますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年3月25日 23時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
轟沙季 - この作品は素晴らしいです！続きも読みたいです！図々しいですが更新よろしくお願いします！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: 558a8f9c64 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - アトさん» コメありがとうございます！いつの間にかこんなに長く…でも楽しみにしてもらえてるのすごく嬉しいです。これからもがんばります！ (2019年2月25日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - りんさん» コメありがとうございます！いつも読んでもらえて嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年2月25日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
アト(プロフ) - こんなに続いてる神作初めて見ました…！！フェアリーテール楽しみにしてます！！！！ (2019年2月24日 23時) (レス) id: 405929ea37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2019年1月26日 20時
