来賓01 ページ23
文化祭の余韻も過ぎ去って、11月も下旬。季節が冬に移り変わる頃。
「雄英で預かることになった」
「「近い内にまた会えるどころか！！」」
出久とAの声が寮に響く。それもそのはず。相澤とビッグ3に囲まれて寮のソファにちょこんと座っているのは、この間別れたばかりのエリだった。
「あの、デクさん、トロイメライさん、こんにちはっ」
「エリちゃん！ また会えて嬉しいよ。でも一体どうして…」
会えて嬉しい反面、戸惑いの気持ちもたつ。そんなインターン組の面々に説明する相澤、そして通形によると、エリの現状を鑑みて、雄英が引き取り先に選ばれたとのことだった。
彼女の現状…それは、あらためて聞くと相当に過酷なものだ。親に捨てられ、血縁である八斎會の組長も意識不明。現状寄る辺もなく…そして何より、あの『個性』。
(また、あんな風にならないように…)
人を巻き戻す個性。本人にその意思がなくとも、人を簡単に殺めてしまえる力。エリがその力をコントロールできない以上、万が一を考え、抑止力が必要だ。そこで引き取り先として選ばれたのが、雄英高校というわけだった。
「教師寮の空き部屋で監督する。様子を見て…強大すぎる力との付き合い方も模索していく。検証すべきこともあるし…まァ…おいおいだ」
そう言う相澤が、もっともエリのことを見ていなければならないだろう。何せ、エリの個性を止められる現状唯一の人物だ。
「相澤先生が大変そう」
「そこは休学中でありエリちゃんとも仲良しなこの俺がいるのさ！」
梅雨の言葉に、すかさず答える通形。その肩に、ぽん、と手が置かれる。
「エリちゃんが心も体も安定するようになれば…無敵の男復活の日も遠くない」
天喰の言葉に、そうなれば嬉しいね、と笑う通形。きっとそうなるはずだとAも思う。だってあのサー・ナイトアイが、通形は立派なヒーローになると言ったのだから。
「早速で悪いが、3年、しばらく頼めるか」
「ラジャっす。オセロやろっと！」
「あの、わたしたちもいいですか？」
Aの質問に、しかし相澤は首を横に振る。
「A組は寮へもどってろ。この後来賓がある」
「来賓…？」
学生寮に外部から客が来るなど初めてだ。一体誰が来るんだろうと、Aは首を傾げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 665人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SangriA(プロフ) - 轟沙季さん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです(>ω<)更新がんばりますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年3月25日 23時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
轟沙季 - この作品は素晴らしいです！続きも読みたいです！図々しいですが更新よろしくお願いします！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: 558a8f9c64 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - アトさん» コメありがとうございます！いつの間にかこんなに長く…でも楽しみにしてもらえてるのすごく嬉しいです。これからもがんばります！ (2019年2月25日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - りんさん» コメありがとうございます！いつも読んでもらえて嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年2月25日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
アト(プロフ) - こんなに続いてる神作初めて見ました…！！フェアリーテール楽しみにしてます！！！！ (2019年2月24日 23時) (レス) id: 405929ea37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SangriA | 作成日時：2019年1月26日 20時
