蜜月な男女の行楽01 ページ18
「A、そろそろ起きろ」
「んむ…」
優しくゆり起こされて、目を開ける。くあ、と1つ欠伸をして、そして見た、焦凍の顔は。
「…？ なんか疲れてる？」
「いや…大丈夫だ」
何か、戦い抜いたような顔だった。
「ね、これ美味しい！」
「ん…ほんとだ。美味ェな」
屋台の食べ物を食べさせ合う。お祭りらしいソース味に頬を緩ませながら、Aはとても楽しそうだ。
「お祭りで食べる食べ物ってなんでこんなに美味しいのかな」
「……屋台の飯、食ったことなかった」
「え！？」
(クソ親父がうるさかったからな…)
「そんな粗末なものを欲しがるな焦凍ォオオオ！！」と叫ぶ父親を思い出し、焦凍は眉を顰めた。ちなみにその真意が、衛生面を気にした過保護だということを彼は知らない。
(エンデヴァーさんがうるさかったんだろうなぁ…)
Aはといえば、焦凍の表情から察しよく全てを悟った。
「じゃあ、今日が焦凍の初めてだね！」
「！」
「いっぱい楽しもうね」
そう言って、にっこり笑うAに。
「俺はお前の初めてを楽しみたい」
…とは、さすがに言えず。
「おう」
一言こたえて、頷くにとどまった。
(やべェな、最近)
Aへの欲望というか、煩悩というか。
そんなものが増えてきた気がする。
「……」
ガシガシと頭をかく。それを見て、なぜだかAがくすくす笑った。
「…？」
「髪はねてるよ」
どうやら髪が乱れたらしい。手を伸ばして直す前に、Aの方が手を伸ばしてきた。
「！」
(ちかっ…)
ともすれば、呼吸さえ感じられるような距離。
ふわりと、どこか甘い匂いがしたような気がした。
「……これでよし！」
満足そうに笑う、その唇が愛らしく、そして…妙に色っぽく見えた。
(やばい)
そう思ったのと、
「…A」
「えっ？」
名前を呼んで、肩を抱き寄せたのが同時。
「ありがとな」
「━━━━━━━━━━━━━！」
唇を押さえて、真っ赤になったAに、自分まで照れくさくなるのを抑えながら余裕ぶる。
「お前だってしてきたろ？」
「そ、そうだけどっ…」
上ずる声が可愛くてたまらない。
「なら、あいこな」
ドキドキ五月蝿い心臓の音は、聞こえていないだろうか。これで自分も照れていると知られたら、ちょっと…いや、かなり恥ずかしい。
(こんなんなっても、かっこつけたいとか)
もう末期だと、焦凍は心の中で苦笑した。
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SangriA(プロフ) - 轟沙季さん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです(>ω<)更新がんばりますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年3月25日 23時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
轟沙季 - この作品は素晴らしいです！続きも読みたいです！図々しいですが更新よろしくお願いします！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: 558a8f9c64 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - アトさん» コメありがとうございます！いつの間にかこんなに長く…でも楽しみにしてもらえてるのすごく嬉しいです。これからもがんばります！ (2019年2月25日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - りんさん» コメありがとうございます！いつも読んでもらえて嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年2月25日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
アト(プロフ) - こんなに続いてる神作初めて見ました…！！フェアリーテール楽しみにしてます！！！！ (2019年2月24日 23時) (レス) id: 405929ea37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2019年1月26日 20時
