君の笑顔が見たかった01 ページ14
舞台の幕が開く。
ざわめきが、歓声に。
眩しい光が目をさした。
(でも)
緊張は、もうない。
(不思議だな)
あるのは、これから始まるという高揚感。
そして、何より。
(エリちゃん…！)
彼女の笑顔を見たいという、強い気持ち。
「いくぞコラァアアア！！」
━━━━━━━━━━━ダァアアアン！！！
勝己の雄叫び。そして爆破。
腹の底に響くドラム、耳の奥に届くベースに、空気を震わすギター、弾けるようなキーボードの音。そして、
「よろしくお願いしまァアス！！」
勝己の爆破にも負けない、貫くような響香の声。
━━━━━━━━━━━ワァァアアア…！！
(掴みは成功！！)
観客達が目を輝かせ、声援を上げる。
(ここからは、いずっくんと青山くんのパート！)
出久と青山が、ステージ中央に躍り出る。複雑なステップも、指先までぴんとはった手の動きも、全てがシンクロのようにそろっている。
「息ピッタリ！」
「緑谷とレーザーだ！」
観客達の驚いた声が聞こえる。しかし、本番はまだまだこれからだ。
ぶおん！ と出久が思い切り青山を真上に投げる。青山はくるくると回転しながらレーザーを放った。まるで花火のような光景に、観客達からもどっと笑い声が上がる。
(そろそろ…！)
青山を尾白が受け止め、出久も舞台袖に戻る。ここからだ。ここからが、一番の盛り上がりどころだ。
(いくよ焦凍…！)
焦凍の方を見る。彼もこちらを見ていた。視線が絡む。2人、頷き合う。
(まずは…！)
峰田がもぎもぎを宙に投げる。同時に、瀬呂のテープも空を舞った。それらは観客達の頭上を、一見無造作に飛び交っている。しかしこれは、ただの一発芸などではない。
パキキッ…
「よし！」
それらを骨組みに、焦凍の氷結が氷のアーチを作っていく。幾重にも作られた氷の橋。口田の指示に従う鳥たちが動かすライトが反射する。青山の人間ミラーボールの準備もできたところで。
「サビだ。ここで全員ブッ殺せ！！」
怒号のような勝己の叫びとともに、一際大きな爆発が体育館中を揺るがした。A含め、ダンスチームが氷の足場を使い縦横無尽に舞い踊る。
「A、切島、いくぞ」
「うん！」
「おう！」
焦凍が生成した氷塊を、切島が削る。細かくなった氷の粒。それを、Aが『北風と太陽』で巻き上げた。
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SangriA(プロフ) - 轟沙季さん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです(>ω<)更新がんばりますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年3月25日 23時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
轟沙季 - この作品は素晴らしいです！続きも読みたいです！図々しいですが更新よろしくお願いします！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: 558a8f9c64 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - アトさん» コメありがとうございます！いつの間にかこんなに長く…でも楽しみにしてもらえてるのすごく嬉しいです。これからもがんばります！ (2019年2月25日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - りんさん» コメありがとうございます！いつも読んでもらえて嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年2月25日 21時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
アト(プロフ) - こんなに続いてる神作初めて見ました…！！フェアリーテール楽しみにしてます！！！！ (2019年2月24日 23時) (レス) id: 405929ea37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2019年1月26日 20時
