優しい子01 ページ10
「すごい。あんな大怪我………、っ！！？」
「語部さん！？」
がくんっ、と膝をおり、地面に伏せる。ズグリ、ズグリと身体を内側から引っ張られるような奇妙な感覚に、Aの額にじわりと脂汗が滲んだ。
「━━━━━━━━━━━━━━力を制御出来ていないんだ」
「……治崎っ…」
「拍子で発動できたものの、止め方がわからないんだろう。壊理！」
「なっ………！！」
目に映った治崎の姿に、Aは目を見開く。治崎は自らと、今度は活瓶を『融合』させていた。コンクリートも見に纏い、形成されたその姿は、実に歪。高層ビルのような巨躯、龍のような頭に、背には何本もの腕。その口腔内に、自らの上半身を融合させた治崎がいた。
(狂ってる……！)
その姿は、治崎の狂気そのものだった。
「人間を巻き戻す。それが壊理だ。使いようによっては人を猿にまで戻すことすら可能だろう。そのままかかえていては消滅するぞ」
「っ……」
その言葉に、驚かなった訳では無い。
「触れるもの全てが『無』へと巻き戻される。呪われてるんだよ、そいつの個性は」
その事実に、恐怖を感じなかった訳では無い。
「俺に渡せ。分解するしか止める術はない！」
それでも、
「━━━━━━━━━━━━━━絶対に、やだ」
治崎には、この子を傷つける者には、絶対に渡さない。
「ありがとう。壊理ちゃん」
「えっ……」
「怪我する前に、戻してくれたんだよね」
Aは、微笑む。
「とっても、優しい個性だね」
「…………！！」
お前は呪われている━━━━━━━━━━その言葉を繰り返し、繰り返し投げかけられてきた壊理にとって、その言葉は。
「お、ねえさんっ……！」
奇跡、そのものだった。
「語部さん、壊理ちゃんを僕に！」
「いずっくん、でも……」
「僕なら大丈夫！ 巻き戻されるなら、大怪我しながら戦えば━━━━━━━━！」
「！ ちょっと、それって…！」
「それしかない！ 早く！！」
「っ……」
Aは僅か躊躇った後、壊理を出久に渡した。途端、奇妙な感覚は嘘のようにおさまった。
「よし…！ 語部さん、糸で固定して」
「うんっ…！」
出久が壊理を背負ったのを確認し、離れないよう糸で固定。戸惑う壊理に、出久は言う。
「エリちゃん……力を貸してくれるかい」
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SangriA(プロフ) - イズモさん» コメントありがとうございます！轟氏は可愛いとかっこいいが同居してる最強キャラだと思います笑 これからもよろしくお願いします！ (2019年1月5日 10時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
イズモ - とっても面白かったです！焦凍が可愛い…… (2019年1月4日 19時) (レス) id: 0e0abeeec8 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - T.a!さん» こちらこそありがとうございます！これからも楽しんでいただけたら嬉しいです！ (2018年12月26日 17時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
T.a! - 紹介見ました！ありがとございます！ (2018年12月25日 8時) (レス) id: db0d32bae9 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - T.a!さん» どうもですー。紹介項目追加したので見てくれたら嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2018年12月24日 23時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SangriA | 作成日時：2018年12月2日 1時
