マセガキ03 ページ27
しかし、今はそんなことより子どもたちだ。滑り出しは大転倒擦り傷必至コース。となると、子どもたちの態度は、ますます悪化していくわけで。
「俺達はしってるんだゼ…俺達の方が、デキるってことをさ！！」
「ああダメよ危ない！！」
教師の声が、今更届くはずもない。
個性を剥き出しに、臨戦態勢をとる彼らに向き合う焦凍たちもまた身構える。
(まさか、本気で戦う気じゃ…)
勿論、焦凍たちが小学生相手に遅れをとるわけはない。しかし仮に勝ったとして、子どもたちはただ悔しい思いをして終わる。逆に手加減して負ければ、彼らの態度は増長の一途を辿る。
(戦闘は避けないと…！)
このままでは心を掌握どころか溝を深くしかねない。「勝ち負け」が別れる戦闘は避けるべきだ。だが
『最近の子ヤベェエエ！！』
「…！」
バチバチと音を立てる電磁弾や吹き荒れる塵芥、鋭く尖った岩や視界を埋め尽くさんばかりの花弁、その他諸々が焦凍たち目掛けて飛んでくる。その威力たるや、本当に大怪我をさせかねない。しかしその力を、彼らは躊躇なく焦凍たちに…人に向けてしまっている。
「人様に躊躇なく攻撃するたァ…だいぶキてんな！！」
(爆豪くんに言われたらダメな気がする…)
「そんな…！！ 俺達の個性にビビってねー…」
「私が行くわ！！」
ポニーテールの女の子が、ぎりりと眉間に皺をよせる。そしてそこから、眩いビームが放たれた。
(青山くんの『ネビルレーザー』みたいな個性…！)
なかなかの強個性だ。そのビームは、真っ直ぐに焦凍へ向かう。焦凍は右手を伸ばし、氷結でそれを防ぐ…と、思いきや
「オイオイ君の可愛い顔が見てぇんだ。シワが寄ってちゃ台無しだぜ」
「っ！！？」
A思わず声を上げそうになり、口を押さえた。女の子には効果覿面。眉間の皺もビームも消える。ついでに焦凍の姿もゆらりと消えた。
「ごめーんマボロシー」
独特の口調でため息をつくのはケミィだ。
「でも言われてみたいよねぇ。ウチの学校今どき異性 交友禁止だし。マジ渇望」
(うわあ…！)
幻とはいえ、キザな言葉を言う焦凍を見てしまい、動悸が乱れたAである。勝己は珍しく吹き出し、焦凍は変なこと言ってたか？ と首を傾げている。
「今度寝落ち女に言ってやれよ。フっ…！」
「…喜ぶか？」
「喜ぶんじゃねえか？ っククッ…！」
「そうか…なら言ってみる」
「ブッファっ！！」
(…ボイスレコーダー用意しとこ)
Aも割と大概である。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 604人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SangriA(プロフ) - イズモさん» コメントありがとうございます！轟氏は可愛いとかっこいいが同居してる最強キャラだと思います笑 これからもよろしくお願いします！ (2019年1月5日 10時) (
レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
イズモ - とっても面白かったです！焦凍が可愛い…… (2019年1月4日 19時) (レス) id: 0e0abeeec8 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - T.a!さん» こちらこそありがとうございます！これからも楽しんでいただけたら嬉しいです！ (2018年12月26日 17時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
T.a! - 紹介見ました！ありがとございます！ (2018年12月25日 8時) (レス) id: db0d32bae9 (このIDを非表示/違反報告)
SangriA(プロフ) - T.a!さん» どうもですー。紹介項目追加したので見てくれたら嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2018年12月24日 23時) (レス) id: f00caaebcb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SangriA | 作成日時：2018年12月2日 1時
