Forever Kiss 4 *

95(Fuma)◆Past ページ3

.





.












風磨「 アイラは、俺に躊躇いもせず話しかけてきてさ。同じ芸能人って環境の仲間が急にできて、少し安心したのを覚えてる 」









アイラ「 今一人？よかったらこの後ごはん一緒に食べない…？ 」


風磨「 え？ 」


アイラ「 あ、ごめん…迷惑だったらいいんだけど…実は結構心細くて 」







芸能人ってだけでみんな距離とるし…

と言いながら、アイラは寂しそうに微笑んだ。




きっと、こういう思いは芸能人特有。

中高と昔ながらの仲間に囲まれて過ごしてきた俺は特に、大学の雰囲気にギャップを感じさせられた。

俺とアイラは、この時からすでに同じ感覚を共有する仲間…みたいなものになっていたのだろう。





.






そのあと、俺たちはすぐに付き合うことになった。

ずっと男子校にいた俺は、人生に春がきました！って感じで浮かれてて。



今思えば。

あの頃は、出会うもの全てが俺のためにあって、アイラすらも、俺の行き詰まっていた気持ちを埋めるために現れてくれたような気がしていた。

そして、アイラも俺のことを同じように思っていたに違いない。






アイラ「 風磨！ごめん遅れて。前の授業長引いちゃって 」


風磨「 全然大丈夫。俺も教材買ってたし 」


アイラ「 そっか、よかった…！何の教材？ 」


風磨「 前ちょっと話した日本史概論のやつー。教授、ガンガンむずい問題試験で出すっぽくて。全然概論じゃねーんだわ… 」


アイラ「 そういえば概論の教授、今年から変わったらしいね 」


風磨「 まじ？だからかよーっ(笑)去年すごいゆるかったって聞いたからおかしいと思った… 」


アイラ「 …その授業取るのやめれば？ 」


風磨「 いや、仕事のスケジュールと合わせたときにめちゃくちゃ良い時間なんだよ…！だから概論は絶対動かさないと俺は決めた 」







.

96(Fuma)◆Past→←94(You/Fuma)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す