そんな人になりたいのだ ページ32
「オッパ」
HS「お、Aヤ、なんかあった?」
「何もないよ」
中々に大所帯なうちのグループ
00lineは私含め4人もいるのに、99lineはただ1人
長男であるが故の負担もあるだろうに、リーダーも任され、自らオンマになりたいなんて言う彼は良く私を甘やかそうとしてくれる
私が呼び掛けたら、すぐに飛んで来てはさっきみたいに何かあったのか、と心配してくれる
些細なことでも言いなさい
誰かを頼ることを覚えなさい
抱え込むのはやめなさい
彼は口癖のようにそんなことを言うけれど、それはこっちの台詞だ
リーダーだから、長男だから
そんな理由で溜め込んでしまうのはオッパの悪い癖だと思う
何の為に、ジフンがもう1人のリーダーをやってるの?
私だって、1人しかいないけど長女だし
全てを預けられないかもしれないけど、少しくらいなら手を貸せる筈なのに
「ずるいよね、ヒョンソギオッパ」
HS「何が?」
「人に言うくせに、オッパはやめないし、それが許されてるでしょ?」
HS「…オッパは別に、吐き出し方が分からない訳じゃないよ
ただ、それがガソリンになるから、わざとそうしてるだけ」
たった11ヵ月早く生まれただけのくせに
私の方が、この世界に慣れてるのに
この人はたまに難しいことを言って、私を困らせる
誰かが発した言葉のナイフ
私は見て見ぬ振りをするけれど、彼は受け止めてしまう
そんな感性を違いなのかもしれないけれど
別にそういう気持ちを持ちたい訳ではなくて、私はそれが分かる人になりたい
だからこそ、言って欲しいのに
彼の、甘えても良い人間になりたいのに
「……私、人に頼るより、頼られる方が落ち着くんです」
HS「知ってるよ?」
「そうした方が、ああ良かったなぁ生きててって思えるから
だから、オッパも私にそう思わせて下さい」
こういえば、出来るんじゃない?
そんな思惑、きっとバレてるけれど、彼は分かったよ、なんて言って
パソコンと電源を切ってから、私の頭を撫で、手を引いて作業室を出た
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作者名:そると。 | 作成日時:2023年10月12日 22時