そんなことは関係ない ページ29
思春期、なんて物は厄介だと思う
誰しもが必ず通る道だとは思うけれど、私の周りに分かりやすくそれを表に出してくる人は殆どいなくて
日本で生活してたら、兄の思春期を見れたのかもしれないけど、私はこうして韓国にいる
それに、男女の差もあるだろうから、私がこうだったから、なんてのも通じない
思わずパソコンで思春期の子の接し方、なんて調べたりし始めたのは、最近のジョンウの態度からだった
元より、私と似て愛情表現を格段する訳じゃない彼だけど、最近は私と目を合わせることもなくなった
カメラが回っていないところに限定すれば、話し掛けても逃げちゃうくらいに、態度が急変した
「ジョンウヤ
仕方ないから普段は全然良いけど、流石にカメラある時は逃げないでよ 」
PJ「……ごめんヌナ」
簡単に不仲を疑われる世界
些細な、どんな意図もない行動だとしても、噂の火種になる
だからこそ、カメラや、他人のめがある場所では、過度は反応を控えるべきで
それを促せば、やっぱり目を逸らして謝って、背を向けてしまった
『…まぁしゃーないか』
あれくらいの時
こうならなかったジフンやイェダムが可笑しかったんだ、と言い聞かせて
そろそろ帰ろう、とまだ集まって帰宅の素振りも見せないみんなを背にした時
突然腕を引かれて、驚いて足を止めた
PJ「ごめんヌナ、嫌いになった訳じゃないんです、ただちょっと…」
「ヤー、ヌナもそれくらい分かってるよ
そんな風に思ってないし、寧ろそれがぶつけられる距離にいるなら良いことだよ」
PJ「え?」
これは完璧な持論だけれど、どうかそんな人間がいるってことも知っていて欲しい
何をしたって、何を言ったって
無条件に許してくれる人がいることを
自分自身を踏み台にしてでも、いつかの未来で笑顔を見せてくれたら、それでいいと思ってる人がいることを
どうか覚えて欲しい
「そういう年頃で、色々どうしようっなってもさ
遠い人にぶつけちゃう程、ジョンウはバカじゃないでしょ?」
PJ「だってそれは、女性の方とあんまり話さないからで…」
「だから、だよ
ぶつけるだけぶつけていいの
ちゃんと謝れる子なの知ってるもんヌナは
ちょっとずつ私で慣れていけばいーの」
随分と大きくなった背
立たれてしまうともう頭には届かない程、時間が経ってしまったらしい
頭の代わりに肩をポンッと叩けば、顔を逸らして、耳を若干赤く染めていた
仕方ないことを責めるつもりは毛頭ない
この話を理解しなくてもいい、だからどうか忘れずにいて欲しい
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作者名:そると。 | 作成日時:2023年10月12日 22時