即帰宅を所望します ページ26
何も聞かされず、ただ撮影ですとだけ言われ移動者に乗せられ、揺られること数分
突如車が止まり、開けられたドアの向こうに見えたのは、真っ暗な森だった
「帰りたい」
思わずそんな言葉が漏れてしまう程憂鬱な撮影
暫く待っているとやってきたのは、マシホ、ジュンギュ、アサヒ、ジェヒョクで
既に動くのすら億劫な私は、マシホが読み上げたミッションカードの内容すら聞かず、平気そうなアサヒの服の裾を握っていた
AS「行くよヌナ」
「何しに…」
MS「願い事しに」
YJ「石塔だって」
「今の願いは帰宅です、叶えられます」
JK「行くよほら早く」
「ヤー!キムジュンギュー…
つ、掴むな、首根っこ…あぁ…」
渋る私をガッツリ掴んだジュンギュは、嫌々な私を連れているせいか3人の輪から外れる様に後ろを歩いていて
きっとカメラに映ってないけれど、だからといって私を放置せず、寧ろ前の3人にちょっと待って、と呼び掛けてくれていた
AS『Aいける?』
MS『目瞑っとき、ここ持っててええから』
『伸びたら弁償するわ…』
完璧とも思える布陣で、目を閉じながら誘われるまま足を進めていれば、石塔を発見したらしく、ピタリと立ち止まった
JK「Aヤ、見て蛇いる蛇」
「知らない知らない」
それに反応してる余裕はない
事実なんだろうけど、撮影で使われる場所に蛇がいるんだとしたら、殆ど偽物だから
マシホの服を必死に握っていた筈なのに
気付けばマシホに手を握られていて、宙ぶらりんになっていた右手は、ジェヒョクの服を握り占めていた
「あぁ、ジェヒョガ…
ごめん、弁償する」
YJ「良いから、握ってて下さい
一番こういうのダメでしょヌナ」
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作者名:そると。 | 作成日時:2023年10月12日 22時