可愛いのは誇れること ページ22
ちょっぴり寒い言動も、独特のファッションセンスも
全部引っくるめて可愛いなんて、ズルい
なんて思ったりもするけれど
結局のところ、可愛いの一言に尽きるうちの可愛い弟
勿論、弟達はみんな可愛いし、好きなことを、好きなだけして、自由にしてほしいと思うけれど
何だかドヨンは、私の母性本能みたいなのを擽る
DY「俺、かっこいいって言われたいんです」
「お？どうしたのいきなり」
DY「可愛いよりかっこいいがいい
可愛いはヌナだから」
可愛い可愛い弟は、どうやらそれが不服だったようで
分かりやすくむくれながら、ソファの上で膝を抱えていた
誰もかっこよくないとは言ってないけれど、どうも彼の耳には可愛いという単語しか入ってないんだろう
別にそれが悪いことじゃないのに、こんなにむくれちゃって
DY「ヌナが可愛いのは当たり前でしょ？
花と並んでも勝っちゃうし、まるで人形みたい」
「お、おん…」
DY「だから、可愛いは俺のじゃない」
相変わらず、たまに分からなくなる、彼の不思議な世界観
ついていくのが必死だけど、何年も姉をやってきて、少しは理解できてきたと思ってたけど
どうやらまだレベルは足りなかったみたいだ
膝の上に顎をついて、きゅっと結ばれた口元に、妙な愛らしさを感じて
ワシャワシャと頭を撫でれば、スッと目が閉じて、私にされるがままになる
「可愛いは、悪いことじゃないし
別に私のものじゃないよ」
DY「う〜ん……」
「それに、可愛いだけじゃないよ、ドヨンイは
かっこいいのをヌナは知ってるし、みんな知ってるし、トゥメも知ってるよ」
DY「でもかっこいいより可愛いが多い…」
「可愛いは、自信にしていいんだよ
まぁ受け売りだけどね」
そこまで言っても納得は出来ないのか、未だ眉を潜めて不服そうだった
別に今分からなくていいよ
なんて気持ちが伝わるように、また頭を撫でた
大人になればきっと気付くよ
それが、誇れることだってこと
意外とそういう姿を、求められてるってこと
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作者名：そると。 | 作成日時：2023年10月12日 22時
