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感情は表裏一体らしい ページ17

『一番嫌いな時間?』

AS『そ、いつ?』

『ん〜…今はそうでもないけど、夕方は結構嫌いやったかな』

AS『ふーん…なんで?』



アサヒに呼び出されて訪れた部屋

突拍子もなくそんなことを聞かれ、戸惑いながら答えたのは
まだ学生だった頃、感じてた懐かしい気持ちだった

日本人メンバーに限らずだけれど、みんな会おうと思えば会える距離に家族がいた
離れていたとしても、それも結局は国内で

勿論、ヨシ、マシホ、アサヒ、ハルトはあの時から韓国にいるから
会うのが難しい距離にいるのは分かってる、そんなの、私が一番分かってる


中学生からこっちに来て、父親と暮らしてたとはいえ、それはたった1年の話

2年生からは、私が日本に帰らなければ、会えなかった
時折来てはくれていたけど、それも結局夏までの話で
3年生になり、知らぬ間に妹と弟が産まれ、更に家族はこっちに来ることがなくなった


会いにいけた時、韓国へ帰る飛行機はいつも夕方頃だった
碧空と夕焼けのグラデーションを恨めしく思った

私がいない間に、家族の絆がどんどん深くなっているような気がして
私だけ置いていかれたような感覚がして



AS「…いや、いいです、答えなくて
そんな顔させたかった訳じゃないから」

「そんな酷い顔してた?」

AS「まぁ…」



情けないな、なんて自嘲気味に笑みを浮かべると、椅子に座っていたアサヒが腰を上げて、私の隣に落ち着いた

何かを話す訳でも、する訳でもなく、ぼんやりと2人パソコンを遠目に眺めて



『後悔とかは、してへんから』

AS『…ホンマに?』

『助けられたんよ、いっぱい』

AS『どうせジフンくん』

『ノーコメント』



昔々、2人で話したのを思い出しながら、脱力してアサヒにもたれ掛かれば、嫌がる素振りなんか見せず、そのまま私の腰に手を回して

ヌナはその時、どう思った?なんて



「悪くないなぁって、思ったよ
時間が経つのは、別に悪いことじゃないし、きれいだなって思えるようになった」



日本語だと若干恥ずかしい言葉でも、韓国語ならそれなりに繕わずに話せる

それを実感してるからこそ、彼は韓国語で話して来たんだろうと予想して、答えれば、満足だと言わんばかりに私の頭をポンッと2回叩いた


こんな、些細な会話が、後々曲になるだなんて思ってもみなかったし
デモを聞いたジフンが、ニヤニヤしながら詰め寄ってきたのは、また別の話し

ジフヒナって強いんだ→←強者の微笑み



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作者名:そると。 | 作成日時:2023年10月12日 22時

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