そのままで、は我が儘かも ページ11
クレヨンしんちゃんが、こっちでこんなに有名だなんて全然知らなかったけど、余りにも身近にそれを好きだと全力でアピールしてくる人がいて
特に深く考えず、何か新しいグッズが出てたりしないか見るようになってから、どれくらい経ったか
日本にいる家族から、仕送りなんて名目で送られてきた荷物の中
インスタント麺の下敷きになっていたのは、彼が大好きなしんちゃんのパジャマ柄のTシャツで
こんなの、頼んだ覚えもないし
まずこれをいつ着ろって言うのか
どうにも表現しづらい、不思議な気持ちを胸に
オンニが運転する車に乗り込んで出社して
携えた無地の紙袋に、妙な恥ずかしさを持ちながら、まずはボイストレーニング、その後社内ジムに向かって、やってきた練習室
JK「届いた?!」
「ステイ」
扉を開ければ飛んできたジュンギュ
なんで開口一番が届いた?なのかはさておき
その勢いはトラウマだから、お願いだから止まってくれ、の意思で口から漏れた言葉に急ブレーキを掛けた彼
そんなやり取りに、周りは我関せずで各自ストレッチをしていた
「誰かに頼んだの?
段ボールに入ってたんだけど」
JK「アオヒョンに頼んだ」
「人のお兄ちゃん使うのやめてくんない?」
いつだったか、ジフンとジュンギュを連れて、私の父親と兄と5人で食事をした時から、何故か妙に仲が良い2人
まさかこんな頼み事までする仲だとは思ってなくて、心からのツッコミが漏れ出た
「まぁ仲良いのは何よりだけどね
じゃ、これ、渡したから」
JK「パジャマパジャマ〜!!」
「あ、寝るんだそれで」
…外で着ないなら、まぁいいよね
手渡した紙袋から、服を取り出して
みんなの間を縫うようにすり抜けたと思えば、よくわからないダンスをしながら、ご機嫌にそれを掲げて
同じ歳だとは思えない、幾らか子供っぽい所は、愛される一因だと思うし
ふと現れるギャップにもなってるからこそ、何だか彼は目を惹く
たまに、極稀に、少しはしっかりしてくれ、なんて思う時もあるけれど
このままのキムジュンギュを、ずっと見てたいとも思える
「あ、ジュンギュヤ
オッパから請求来てるから」
JK「アオヒョンが買ってくれる約束!」
「いや知らないし」
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作者名:そると。 | 作成日時:2023年10月12日 22時