ブルースターのすれ違い（1） ページ9
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葛葉さんが私たちの家に来てから少し経つ。
わたしは湊くんや葛葉さんの活動についてさらに調べることにした。
黛さんや明那さんと仲良くしている湊くんしか見ていなかったから、すごく新鮮であると共に少し寂しくもある。
いつもなら湊くんがそばにいてくれるおかげでそんな感情はすぐに吹き飛ぶのだが、今日はそううまくはいかない。
湊くんは"バーチャルホスト"であって、ここ数年は店に出勤していなかったが、人手不足のピンチだという理由で出勤している。
そのため、会えなくなってから一週間ほど経っている。
それはしっかり信頼・信用はしているが、さみしくもかるし不安にもなる。
朝、仕事に出るときはぐっすり寝ているから起こしてあげたくないし、だからと言って夜遅くまで起きて、湊くんを待って仕事に支障をきたすわけにはいかないし。
あーあ、さみしい。
そんなことを考えながら働くAの耳にチリンと店の扉が開いた音がした。
「いらっしゃいませー、って葛葉さんじゃないですか」
「ウッス」
Aはもちろん驚く。忙しいだろう葛葉がまた店に寄ってくれたなんて信じがたいことだったからだ。
「いやぁ、たまたま通ったらAさんすげぇ暗い顔してるから。もしかしてふわっちとなんかあった？(笑)」
この問いにAは顔を歪める。
「え待って図星？冗談だったんだけど。今ふわっち忙しそうだもんなー」
「はい・・・、忙しいのは分かるし、大変なのも理解があるつもりだけど心配にはなります」
「まぁ仕事が仕事だからな。あ、じゃあもう凸れば？」
「うん？」
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作者名：せりな | 作成日時：2024年2月3日 20時
